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保健室に先生はいなかった。
田中は、Aを椅子に座らせた。
自分も隣に座る。
田中「大丈夫か??なにか欲しいものあるか??」
A「いえ、大丈夫です…今更ですが、怖くなってきてしまって………っ…くっ…」
Aは安心したのか、涙を流し始めた。
田中「Aっ……」
A「すぐっ…すぐ治ります…から………すぐ泣き止みますから……」
Aは両手で目を隠した。
指の隙間から、涙がポタポタと流れ落ちていく。
A「怖かった……怖かったです……うっ…っ……」
Aはぎゅっと目を抑え、顔を上げない。
田中は椅子から立ち上がった。
田中はAの正面に立ち、ギュッとAを抱きしめた。
A「田中さん??」
田中「Aが安心するまで、ここにいる………何分だって、何時間だって、何日だって…ここにいる」
A「田中さんっ………田中…さん………」
保健室には、夕暮れ独特のオレンジの光がはいってくる。
田中が初めてAと出会った図書室のようだった。
だが、Aが泣いている理由はあのときとは違う。
図書室での純粋な涙ではない、恐怖を感じ怯えた涙は酷く悲しいものだった。
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ゆきと - このあとの二人の日常をみたいです✨ (2022年4月10日 17時) (レス) id: fa3fd2ad4b (このIDを非表示/違反報告)
Yo - こんなにほのぼのというか幸せな感じの話(BL)は初めて読みました!とても面白かったです(*´-`)田中…良かったな( *´艸) (2019年3月17日 22時) (レス) id: c2ff46fc76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:屋 | 作成日時:2017年11月14日 18時