六着目 ページ6
上司らしい、と言えばきっとうるせ、と返される。
新人の前で挨拶をする幼馴染みは今まで見てきた中でもトップ10に入るくらいに上司らしかった。
「つーわけで、無理はするな。だが逃げるな」
中也は黒外套を返しながらそれぞれの顔を見る。
それを見守っているAは嬉しくなった。
「俺からは以上だ。A何かあるか」
静かに首を横に振るA。
「姐さんは?」
「んー?特にないぞ、中也ので十分じゃ」
時間が惜しいのですぐに解散させると張り詰めていた気が解けた。
「新人さん。流石に緊張してましたね」
「まあな、仕方ねぇだろ」
いきなり五大幹部と会うのだから緊張するのもわかる。
Aだって最初は緊張していた。
「手前の緊張は命かかってたからな」
「ふふ、殺されるかと思いました」
幼い頃の栄光というのだろうか。
10年前の中也はAを見るなり殴りかかるようなとんがり坊主だった。
中々心を開いてくれずAは殺されかけたことも何度かあった。
「思い出したくもねぇ」
「ふふ、良い思い出です」
2人の信頼関係は周りが黙るような安定感があった。
10年間の絆と、数々の修羅場をくぐり抜けてきた信頼はそう簡単に崩れるものではない。
2人は廊下でコツン、と拳を合わせた。
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ハル - 面白かったです!とても感動しました!主人公が選んだ服や帽子を今も着ていると思うとグッとくるものがあります!大切なものを大切にしておこうと思いました!とてもよい話をありがとうございました!! (2017年1月27日 21時) (レス) id: d2f978314e (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 加奈さん» ありがとうございます!!距離感は大切に書いていますのでそういう点に着目して頂けたのは嬉しいです! (2017年1月18日 7時) (レス) id: 2f9be25c6d (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - もうなんか男主くんと中也の距離感が素敵過ぎて悶えますこの小説大好きです作者様ありがとうございます…… (2017年1月16日 21時) (レス) id: 191a0f55fe (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 天さんさん» ありがとうございます! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 2f9be25c6d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - めっちゃ面白いです!!中也はやはりイケメンですね(吐血)更新頑張ってください! (2017年1月12日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2017年1月4日 0時