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十七着目 ページ17

「以上です」

Aの屍を抱えながら帰ってきた中也に部下は驚き、首領も目を見張った。
これまでの経緯を話し終えると首領は深いため息をつく。

「つまり、Aくんは敵組織のスパイで中原くんを殺す為にポートマフィアに入ったと……」
「はい」
「しかし、殺せず自分で命を絶ったと」
「はい」

中也は確認される度にAらしいと思っていた。
自分が殺してあげるのに。

―――上司といえど私の私情で人殺しをさせるわけにはいきません。

言ってくれれば敵組織を潰すことも出来たのに。

―――それで中原様が傷ついたら私は会わせる顔がありません。

いっそ殺してくれてよかったのに。

―――ごめんね、中也。

「中原くん」
「……!はい」
「もう休んでいいよ。ご苦労様」

部屋を静かに出ると流しきったはずのものが流れる。
止まれと思っていても止まらないそれに中也は困りながらも苦しんだ。

―――中也。

鮮明に思い出す声と、笑顔と、仕草と。
ああ、長い間そばに居たんだなと思わせる記憶。

――――――俺の分まで生きて。

ああ、生きる。
生きるとも。

何処ぞの相棒のようにはならないさ。
辛くても、苦しくても、消えたくても生きてやる。

「手前に救われた命だからな」

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ハル - 面白かったです!とても感動しました!主人公が選んだ服や帽子を今も着ていると思うとグッとくるものがあります!大切なものを大切にしておこうと思いました!とてもよい話をありがとうございました!! (2017年1月27日 21時) (レス) id: d2f978314e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 加奈さん» ありがとうございます!!距離感は大切に書いていますのでそういう点に着目して頂けたのは嬉しいです! (2017年1月18日 7時) (レス) id: 2f9be25c6d (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - もうなんか男主くんと中也の距離感が素敵過ぎて悶えますこの小説大好きです作者様ありがとうございます…… (2017年1月16日 21時) (レス) id: 191a0f55fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 天さんさん» ありがとうございます! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 2f9be25c6d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - めっちゃ面白いです!!中也はやはりイケメンですね(吐血)更新頑張ってください! (2017年1月12日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年1月4日 0時

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