9枚目 ページ10
「コアラ…！」
「パンダっ！」
「ライオン…！」
「キリン首長い…」
一枚一枚と増えていく写真のデータ。
時間は少し遅れたが無事動物園に入れた。
静かに写真を撮る俺の横でAくんは解説を読んだり感想を漏らしたりしている。
「わ……でか…」
一つ、一つ檻の中を見て回る度に反応が変わり面白い。
高校生は動物園ってあまり行かないのかもしれない。
「動き遅……」
シャッターを押す俺なんて眼中にないようだ。
目の前の動物だけを見つめているAくん。
「……そうだ」
隣にある鳥を見つめるAくん。
色とりどりの鳥たちが鳴いているのが楽しいのか微笑している。
俺もその鳥たちを見ながらシャッターを押す。
画面には鮮やかな色の鳥が映し出された。
そしてポケットからそっとスマホを取り出してカメラを起動。
画面を横に向けると未だに微笑している少年の顔が映った。
その画面に触れるとそのままシャッター音。
すぐさま顔がこちらを向く。
「…今撮りましたよね」
「………鳥をね」
「明らかにカメラこっち向いてましたけど」
「いいじゃんいいじゃん」
「盗撮野郎」
口の割に怒った様子を見せない少年。
一応消しておこうと思い画像欄を見る。
「……………おぉ」
思ったより綺麗に撮れていて自分でも驚いた。
「勝手に人の横顔撮ってその反応ってどうなんですか」
「いや、意外にイケるなと」
いい具合に目が風のおかげで隠れている。
シャッターを押すときに風が吹いたのか髪の毛がふわりとなっている。
これは狙って撮れるものではないな。
「…やっぱこれ残していい？」
「………えおさんの横顔と引き換えに許しましょう」
その後、俺が考えることになったが
結局横顔を撮られるのと引き換えに奇跡の一枚を手に入れた。
「えおさん髪ボサボサ」
「ある意味奇跡の一枚だな」
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ナオ(プロフ) - 無音さん» 読んでいただきありがとうございました！ (2016年3月24日 9時) (
レス) id: 6fff7782ee (このIDを非表示/違反報告)
無音 - とてもいい小説だなと思いました。男主くんの親との関係、今後どのように書かれるのか楽しみです。25話の全自動罵倒生産機に思わず笑ってしまいました。えおえおとの仲はもちろん、メンバーとの仲が深まるといいです。更新頑張ってください。 (2016年3月24日 2時) (レス) id: 543116ff27 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます！ (2016年3月20日 20時) (レス) id: 95d65e7a0a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - いつも更新楽しみにして読ませてもらってます！応援してます！ (2016年3月20日 19時) (レス) id: 3bc612127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青 | 作成日時：2016年3月11日 7時
