8枚目 ページ9
「つ、いた……」
鍛えといてよかったと思う。
この歳になってもまだ走れるとは。
息を整えていると、コツコツと足音が近づいてくる。
「社会人になれば40分の遅刻は許されるんです？」
皮肉を込めているのか、無意識か。
Aくんは白い腕時計を見ている。
若い若い。格好が若い。
ネックレスはつけてないが腕にはブレスレットが幾つか。
さすが若い子。よくわからないが。
「ごめんなさい」
遅刻した事を謝ればAくんは全然、と気にしていない様子。
「コーヒー飲めましたし、遅刻もいいものですね」
「……ごめんなさい」
「いや、本当に…
皮肉っぽく聞こえてるかもしれないけれど本当にそう思ってるので…」
やはり、無意識だったようだ。
俺も天然などと言われるがきっとAくんも言われるだろう。
「とりあえず、10円を…」
「ああ、はい。あの時はありがとう」
たまたまあった綺麗な10円を手のひらに乗せると彼はグッと握りしめた。
「じゃあ、楽しみましょう」
また幼く笑った彼。
俺にはもうできないわ。
「そういえば……」
改札を通りながら彼は話す。
「なんて呼べばいいですか？」
お互い、キョトンとしてしまった。
今更だ、とか思ったはずだ。
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ナオ(プロフ) - 無音さん» 読んでいただきありがとうございました！ (2016年3月24日 9時) (
レス) id: 6fff7782ee (このIDを非表示/違反報告)
無音 - とてもいい小説だなと思いました。男主くんの親との関係、今後どのように書かれるのか楽しみです。25話の全自動罵倒生産機に思わず笑ってしまいました。えおえおとの仲はもちろん、メンバーとの仲が深まるといいです。更新頑張ってください。 (2016年3月24日 2時) (レス) id: 543116ff27 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます！ (2016年3月20日 20時) (レス) id: 95d65e7a0a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - いつも更新楽しみにして読ませてもらってます！応援してます！ (2016年3月20日 19時) (レス) id: 3bc612127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青 | 作成日時：2016年3月11日 7時
