43枚目 ページ45
俺の家からAくんの家は遠かった。
走ってきたから多少距離は縮んでいるだろうと思ったが遠い。
話すことも無いので今までのことを思い出すことにした。
10円からこんな事になるとは思わなかった。
食事に行った時もあったな。
今度はみんなと行きたい。
「…そういえばさ」
ふと思い出したことがある。
あろまとの喧嘩(？)の日だった気がする。
別れ際、したっけねなんて彼が言ったのを覚えている。
「北海道の方言、わかるの？」
「え？何で？」
「したっけね、とか言ったじゃん」
ああー…と思い出すように上を向くAくん。
「えおさんが家でだべ、って言ったじゃん」
「ああ」
「調べたら北海道の方言だったから他にも調べてみたわけ
使い方あってた？」
合ってるというと安心したように顔を綻ばせるAくん。
身長のせいもあるのか小動物に見える。
ちょっと警戒心が強い小動物。
「あ、じゃあ俺も一つ」
俺の方を向いて人さし指を立てる。
女じゃない、なんて言ってたけど仕草は女性に近いものがある。
「えおさん俺を引き止める時Aって呼び捨てにしたでしょ」
そういえばそうだったような気がする。
しかし必死だった為記憶が曖昧だ。
「呼び捨てでいいよ、その方がしっくりくる」
「しっくり？」
「俺学校でもそんな感じで呼ばれてるから」
確かに高校生でくんを付けて呼ぶ事はないだろう。
「わかった」
それを聞いてまた嬉しそうに顔を綻ばせる。
学校の子の前では無表情だったからインパクトは大きい。
もしかしたら表情豊かな子なのかもしれない。
少し前を歩く彼の後姿を見て思った。
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ナオ(プロフ) - 無音さん» 読んでいただきありがとうございました！ (2016年3月24日 9時) (
レス) id: 6fff7782ee (このIDを非表示/違反報告)
無音 - とてもいい小説だなと思いました。男主くんの親との関係、今後どのように書かれるのか楽しみです。25話の全自動罵倒生産機に思わず笑ってしまいました。えおえおとの仲はもちろん、メンバーとの仲が深まるといいです。更新頑張ってください。 (2016年3月24日 2時) (レス) id: 543116ff27 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます！ (2016年3月20日 20時) (レス) id: 95d65e7a0a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - いつも更新楽しみにして読ませてもらってます！応援してます！ (2016年3月20日 19時) (レス) id: 3bc612127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青 | 作成日時：2016年3月11日 7時
