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42枚目 ページ44

ピザを食べ終わると休む間もなくAくんは立ち上がった。

「ご馳走様でした、お金置いときます」

財布からすばやくピザの代金を出し、机の上に置くと逃げるように玄関の方へ走って行く。

素早い行動にポカン、としてしまったが俺は頭をフル回転させて彼を追いかけた。

「Aくん!」

彼の足は止まらない。

「Aくんってば!」

それどころか早くなっている。

流石に持久走ともなれば若さには勝てないので全力疾走で彼の肩をつかんだ。

「A!」

「いっ……」

思いっきりだったのか顔をしかめて俺の手を振り払う彼。

痛かったらしく肩を押さえている。

「あ、ごめん…」

「……代金なら気にしないで受け取って」

「いや……それもそうだけど、家に帰るの?」

彼は代金を返すために追いかけてきたと思ってるが俺が追いかけたのは別の理由。

「帰るよ、ご飯も食べたし」

「……そんなに早く帰りたかったのか?」

「そういう訳じゃないけど…」

「じゃあ、そんなに急ぐ必要ないだろ」

「長居する気は無いって言った」

だからって食べてすぐ出る、というのはおかしいだろう。

そう言えばAくんはまあ…と目を泳がせた。

「家まで送る」

「いいよ、女じゃあるまいし」

「じゃあ代金返す」

手の中にある札を押し付けるように前に出せば彼はため息をついてわかった、と言った。

「でもお茶とか出せないから」

「わかってる」

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ナオ(プロフ) - 無音さん» 読んでいただきありがとうございました! (2016年3月24日 9時) (レス) id: 6fff7782ee (このIDを非表示/違反報告)
無音 - とてもいい小説だなと思いました。男主くんの親との関係、今後どのように書かれるのか楽しみです。25話の全自動罵倒生産機に思わず笑ってしまいました。えおえおとの仲はもちろん、メンバーとの仲が深まるといいです。更新頑張ってください。 (2016年3月24日 2時) (レス) id: 543116ff27 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます! (2016年3月20日 20時) (レス) id: 95d65e7a0a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - いつも更新楽しみにして読ませてもらってます!応援してます! (2016年3月20日 19時) (レス) id: 3bc612127a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年3月11日 7時

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