33枚目 ページ35
※aroma,side
抱きかかえていた猫を逃すとそいつは裏路地のほうを見つめ続けた。
きっくんやFBたちが何か話しているが俺はその顔を見つめ続けた。
飯食ってないだの家が空いてないだの。
なんでここに戻ってきた、と聞いてみたが正直どうでもいい。
聞いていなかったがどうやらえおえおの家でゲームらしい。
断る理由もないので黙っている。
…が、餓鬼は歩き出そうとせず裏路地を見つめ続けている。
俺はその腕を引っ張り無理やり歩かせた。
後ろから3人が慌てたようについてくる。
「裏路地になんかあんのかよ」
「…そんなに見てました？」
無意識だったのか自分でも気づいていなかったようだ。
歩幅が合いはじめたところで腕を離す。
「見すぎだボケ」
「いや……まあ、懐かしいと思いまして」
「バカじゃねぇの、裏路地に何の思い出があんだよ。近道したくらいだろ」
俺の口の悪さは本当に気にしていないのか何も言ってこない。
言われないのは俺にとってはいいことだから、俺もそれについては何も言わない。
「逃げるときに使ってたな、と」
何から、と聞けば黙りこくってしまった隣のやつ。
なんだよ、気になるだろ。
「何から逃げてたんだよ」
「色々と…あ、借金取りとかじゃないですよ」
んな考え思い浮かばなかったわ。
こいつ高校生とは思えねぇほどゆがんだ考えだな。
「…えっと、あろまさん？」
「あ？」
「あろまさんは口堅いです？」
「まあ…」
「じゃあこれ見てください」
そう言って見せてきた携帯画面には激しいやり取り。
右側にはAと表示され、夕日のアイコン。
左にはこいつの返信に汚い言葉で返す相手。
誰だよ大人気ねぇな、と思って上の名前を見てみる。
「は…………」
「これから、逃げていたんです」
昔の話ですけどね、と笑うこいつ。俺にとっては笑い事じゃなかった。
なんで笑ってんだよ、バカかこいつ。
「家開いてないってそういうことかよ」
「開いてない、というより…帰りたくないんですよねー鍵も本当は捨てちゃいたいくらいで」
「………えお」
「え？」
「今日はえおえおの家に泊まれよ、制服も洗ってもらえんだろ」
「…それあろまさんが言っちゃいます？」
最後に聞いたのは俺と喧嘩してた時、怒っていたのはそいつが原因かということ。
そうです、すみませんでしたと先に謝られた。
俺も謝ったがえおえおの言ってた通り
「気にしてないんで謝らないでください」
と言われた。
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ナオ(プロフ) - 無音さん» 読んでいただきありがとうございました！ (2016年3月24日 9時) (
レス) id: 6fff7782ee (このIDを非表示/違反報告)
無音 - とてもいい小説だなと思いました。男主くんの親との関係、今後どのように書かれるのか楽しみです。25話の全自動罵倒生産機に思わず笑ってしまいました。えおえおとの仲はもちろん、メンバーとの仲が深まるといいです。更新頑張ってください。 (2016年3月24日 2時) (レス) id: 543116ff27 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます！ (2016年3月20日 20時) (レス) id: 95d65e7a0a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - いつも更新楽しみにして読ませてもらってます！応援してます！ (2016年3月20日 19時) (レス) id: 3bc612127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青 | 作成日時：2016年3月11日 7時
