【男主】旅日記【eoh.eoh】

13枚目 ページ14

電車に揺られること20分。
みぞれ鍋が好評の店に着いたものの日曜日という事もあり混んでいる。

Aくんが自分の名前を紙に書いてくれた。

「清川A」

「……？偽名ですよ？」

「じゃあ清川って誰だよ」

「俺の友達です」

友達の名前を勝手に使っていいのか微妙なところだが書いてしまったものは仕方ない。

今回だけでもお借りしよう。


「Aくんは休みの日何やってるの？」

「だいたいバイト、
あとはダラダラしたり散歩したりゲームとか」

「ゲームやっぱりやるんだ」

「まあ…有名なところのは…清川がよくやるんで」

相槌をうつ前に順番が来たので店員さんが清川様と呼ぶ。

それに手を上げて反応すると奥の席へと通された。

「個室なんだ」

「便利だよね」

メニュー表を真ん中に広げて見ると鍋が数種類。
もちろんすぐにみぞれ鍋、と決まった。

「サイドメニューは？」

「いらない」

「ドリンクは？」

「コーラ」

呼び鈴を鳴らすと店員さんはすぐに来て注文を聞いてきた。

決めたものを順に言うと店員さんは紙にスラスラと書いて行ってしまった。

「…えおさん酒は？」

「飲めない」

「………子供」

「うるせぇーよ、飲めないものは飲めないんだよ」

「えお餓鬼」

「チビA」

ケンカ腰で話す二人に戸惑う店員さん。
盆の上には先ほど頼んだ飲み物がのっていた。

「じゃ、乾杯」

「かんぱーい」

コツンと軽やかな音が個室に響いた。

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