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しまった。
非常にしまった。
時計は一刻と進み俺の気持ちは焦る。
カードで改札を出ようとした。
したが、まさかの残金が足りなかった。
すぐさま清算所で足りない分を入れようと思った。
そこまではナイス行動だ。
だけど足りると思っていた為財布がない。
オロオロしてても出れないがするしかない。
「どうすっかな……」
腰に手を当てて考える。
ポッケに携帯は入っているがこんなことのためにメンバーを呼ぶのも申し訳ない。
FBあたりは来てくれそうだけれど。
「……あの」
財布を持った高校生が俺を見る。
変なものでも見るような目で。
ゆるーくつけてあるネクタイがいかにも高校生。
「使わないんですか」
いきなり痛い。
金がないから使えません、なんて恥ずかしい。
俺も成人して10年。
金が無いなんて言ったら色々とダメな気がする。
「……えっとー…」
「ああ、財布がないのか」
ちらりと俺の手を見て察する少年。
最近の子は鈍感というがどこがだ。
「落としたんですか？」
「いや、足りると思ってたんで…」
自分のカードを入れて金を入れていく高校生。
「ん」
「……？」
何かを求めるように出された手に首をかしげてしまう。
「幾ら足りないんですか？」
「……10円」
フッと鼻で笑われた。
高校生に鼻で笑われる30歳。
辛い。
「笑うなよ、足りると思うだろ」
「10円の差は悔しいですね」
まだ幼さ全開の笑顔。
こんな時代俺にもあったな。
「で？人に何かを頼む時は？」
「……10円貸してください」
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ナオ(プロフ) - 無音さん» 読んでいただきありがとうございました！ (2016年3月24日 9時) (
レス) id: 6fff7782ee (このIDを非表示/違反報告)
無音 - とてもいい小説だなと思いました。男主くんの親との関係、今後どのように書かれるのか楽しみです。25話の全自動罵倒生産機に思わず笑ってしまいました。えおえおとの仲はもちろん、メンバーとの仲が深まるといいです。更新頑張ってください。 (2016年3月24日 2時) (レス) id: 543116ff27 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます！ (2016年3月20日 20時) (レス) id: 95d65e7a0a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - いつも更新楽しみにして読ませてもらってます！応援してます！ (2016年3月20日 19時) (レス) id: 3bc612127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青 | 作成日時：2016年3月11日 7時
