王子の事情 ページ3
王子はあれからというもの、すぐにクラスに打ち解けた。
小学六年生という微妙な時期に引っ越してきた人間が、いとも容易く周りの人間と仲良くしている様子を見て、小学生ながらに緑谷は感心する。
だがそれは必然なのだ。
王子Aが老若男女問わず周りに好かれ、女子から恋慕われるという物語は必然にして絶対。
早くもクラスの中心的存在になってしまった転校生に、緑谷は話し掛ける機会を失ってしまった。
「あの、ちょっと良いかな」
___仲良くなんて出来ないと思っていた、今までは。
若干汗をかいていて、ほんの少し息が乱れている。その様子を見る限り彼は誰かから逃げている……ように見えた。
ポカンとしながら緑谷は「え、っと……どうしたの？」と問う。すると、気まずそうに王子は目を逸らしながら……。
「ちょっと……女子の皆から逃げてる…のだけれど………匿ってくれないかい…？」
イケメンだと本当に追いかけられることなんてあるのか、とある意味称賛した。
本当に申し訳なさそうに、そして困り顔でそう告げる彼に他人事だからか緑谷はついそう思ってしまった。
とりあえず向こうから聞こえる「王子くーん♡」なんて聞いたこともないクラスの女子の猫撫で声は無視しよう。
「……とりあえず此処に隠れてて？」
困惑しながらも緑谷は匿うことを決意。
というより、恐らくこれを逃したら一生話せる機会は無い、と自分の中の勘が告げていた。
「ありがとう」と笑いながら王子は掃除ロッカーの中へと身を潜ませる。容姿端麗な美少年がまさかこんな薄汚い箱の中に居るだなんて誰も思うはずが無いのである。
……そして、女子の皆が消えるのを待った。
何度か「王子君を知らないか」と物凄い面相で緑谷に聞いてくる者もいたが、まさかその場に探している張本人がいるなんて知らないわけで。
静かに王子Aという純粋無垢な少年に、女子の恐ろしさというものを植え付けたのだった。
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サラ(プロフ) - 続き読みたいです！！ (2022年8月2日 7時) (
レス) id: 0407d7412e (このIDを非表示/違反報告)
オレオ。(プロフ) - プロフィールほぼイケメンwwそして王子の対応が凄すぎぃ…。 (2018年6月17日 23時) (レス) id: a01c3aaef8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴華ゆう子、蜷川べに、いぶくろ聖志推し - 大大大大大好きです!!!!更新頑張ってください♪続き楽しみにしてます♪ (2018年6月14日 17時) (レス) id: 04d36dc96b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 好きです！！！語彙力とかよくわかんないけどとにかく好きです！！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月12日 23時) (レス) id: 1ef2c0f6cc (このIDを非表示/違反報告)
酒恋女(プロフ) - 題名を見て一目で気に入りましたwww更新頑張ってください！ (2018年6月11日 22時) (レス) id: 39f73519ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ARuFa | 作成日時：2018年6月10日 19時
