Encounter:番外編 ページ32
ドストエフスキーside
僕はちょうど1年くらい前に彼女と出会った。
家の前に傷だらけで倒れている彼女に気が付いた瞬間、すぐさま息を確認した。
普段の僕ならきっと他人の事など気にせず家の前の怪我人など放っておいただろう。
しかし僕は彼女に息があるのを確認するとほっ、と息をついてすぐさま手当をするのだった。
僕はベッドで眠る彼女を見つめながらその日の自分の行いを考えた。
しかし答えは出ない...。
「主様、何かお悩みですか?私で宜しければお話伺いますよ。」
声のした方に視線を移せば紅茶を淹れるイワンくんが居た。
僕は今の自分の思いを全て話すと彼は微笑んで何も言わなかった。
「...矢張り、君とて解りませんか。」
「えぇ..ですが、そのお気持ちは大切に為さるべきですよ。きっと、いつか理解できる日が来るでしょう。」
彼の淹れた紅茶はほんのり甘く、その言葉も曖昧で柔らかいものだった。
そして僕は彼女との生活で段々と気が付いてきた。
彼女が笑えば僕は喜び、彼女が悲しめば僕は心が痛くなる。
彼女が傷付けば僕は護りたいと思う。
でも彼女は恩返しだと言っていつも身を呈して僕の前に立つ。
これはきっといつか聞いた"愛してる"という感情なのだと思う。
「...A、失いたくない人...」
満月が浮かぶ雲一つない空を見ながら自身の心を理解したのでした。
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
呉 モヨ子 - 失礼します。とても美しい文章ですね!ドストさん格好良い…夢主の元ネタって罪と罰のラスコーリニコフですよね?私あれ大好きなので嬉しいです!更新頑張って下さいね! (2018年1月19日 6時) (レス) id: e69ac68703 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» 投稿遅れても全然大丈夫です!投稿される日が楽しみ〜(/ω\) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 名案ですね。その発想は在りませんでした(笑)投稿は少し遅れて仕舞うかも知れませんが尽力します。リクエスト、有難う御座います。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» リクエストOKなんですかっ!!?ドスト様と太宰様に迫られるお話とか書いて貰えませんか(//∇//) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 私もドストさん推しなので作品を書かせて頂けて幸せです。更新、頑張ります。リクエストなども在りましたらコメントして頂けると嬉しいです。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きりん。 | 作成日時:2017年8月14日 3時