白銀の剣と虚弱体質 【文スト】【ドストエフスキー】

work ページ4

フェージャと出会ってから早一ヵ月が過ぎた。


あの日から彼と一緒に居る訳だが、どうやら私は彼のボディーガードという立場らしい。

私も少し前に知ったことだが彼は《死の家の鼠》という組織の頭目らしく、探し物をしているのだとか。


探し物と云ってもそうすぐに見つかる物でも無い様だ。

なんせ、一冊の白紙の本だそうで、本に記したことが叶うという胡散臭さの権化のような物だ。


「フェージャはその本に何て書くの？」

いつか私は彼にこう尋ねたことがあった。

彼は表情を変えず、

「異能者の居ない世界を創ります。」

と云った。


それにどんな意味が有るのかは私には判らない。

ただ、彼の願いならば叶えたいと思った。



「A、そろそろ計画が大幅に進みます。準備は出来ていますか？」


フェージャの云う準備はきっと異能の事だろう。

私には幼い頃から武器召喚の異能があった。

この能力が有るからこそ剣士になった訳だが。


「んー…戦闘には少し足りない…かな。」


「…そうですか、判りました。計画が定まったら日本へ向かいます。その時に調達でも構いませんか？」


「いいね。日本刀は私の得意分野だ。」

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