Mushitarou.O ページ28
探偵社の観察は思ったより面白いものだった。
私は敦君とその上司に覚えられている為、細心の注意を払いながら動向を探っている訳だが、
探偵社の中でもひと際目立つのは自身を名探偵と謳う青年だった。
今は国木田と云う社員のため奔走しているようだ。
以前、エーヴォチカたちの兄弟を犠牲にした作戦の際に私が準備した探偵社の型の手榴弾が功を奏し、フェージャの描いたシナリオ通り国木田という探偵社員が子供たちを殺害したとして、現在拘留中なのだ。
そんなフェージャの嫌がらせに付き合う哀れな社員を復帰させるため探偵が尽力していると云う訳だ。
そして今、その名探偵を阻止すべく新たな仲間とコンタクトを取るため指定された喫茶へ赴いている。
細い路地が入り組んだ先にある純喫茶で善い雰囲気の店だった。
珈琲とパンケーキを頬張りながら相手を待つこと３０分。
店のドアのベルが心地よく鳴り響き、細い男が入ってきた。
店主は彼を私の席へと案内した。
「こんにちは、小栗虫太郎さん。」
「あぁ、君は…えっと…」
「A。A・ラスコーリニコワです。宜しく。」
互いの自己紹介が済むとフェージャの話になった。
彼もまたフェージャに見出された人だった。
「今回の貴方の仕事ですが…。」
「判っているさ。『隠滅屋』として立ち回れば善いのだろう。」
虫太郎はさも退屈そうにそう言い、席を立った。
「君が仕事を終えた後、私が君を迎えに行く。くれぐれも穏便にお願いしますよ。虫太郎さん。」
「あぁ、判った。」
後に彼のこの言葉がどれほど頼りないものか実際に身をもって感じることになるのだがこの時の私は彼のその言葉を信じ、店を後にしたのだった。
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呉 モヨ子 - 失礼します。とても美しい文章ですね！ドストさん格好良い…夢主の元ネタって罪と罰のラスコーリニコフですよね？私あれ大好きなので嬉しいです！更新頑張って下さいね！ (2018年1月19日 6時) (
レス) id: e69ac68703 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» 投稿遅れても全然大丈夫です！投稿される日が楽しみ〜(/ω＼) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 名案ですね。その発想は在りませんでした（笑）投稿は少し遅れて仕舞うかも知れませんが尽力します。リクエスト、有難う御座います。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» リクエストOKなんですかっ！！？ドスト様と太宰様に迫られるお話とか書いて貰えませんか(//∇//) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 私もドストさん推しなので作品を書かせて頂けて幸せです。更新、頑張ります。リクエストなども在りましたらコメントして頂けると嬉しいです。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん。 | 作成日時：2017年8月14日 3時
