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Bomb ページ19

眠りから目を覚ますとフェージャのチェロの音と知らない男の声が聞こえた。


「チェロを聴かせるために僕を拐ったのか?」

見知らぬ青年は身を椅子に縛られながらフェージャを見つめる。

どうやら日本人のようだ。


「おや、お目覚めですか。お早うございます、Aさん。」

「うん、お早う。彼は?」


青年の方を見て問うと日本の爆弾魔だと紹介された。


「へぇ、君が噂の爆弾魔くんか。で、如何して此処に居るの?」

「...僕にも解らないさ。」


私が答えを求めるようにフェージャを見ると
彼は愉しそうに笑って言葉を紡いだ。


「探偵社の話を伺う為ですよ。桂さん、貴方は国木田と云う探偵社員への復讐の為少女に爆弾を仕掛けた...そして彼は命を賭して少女を助けた...そうですね?」

「それを知って如何する?」


桂と呼ばれた青年は過去を蒸し返されて心外そうに顔を伏せた。そして、


「あの人の理想は本物だ!あの人の魂は誰にも折れない!」 と叫んだ。


彼の訴えにチェロを弾いていた手を止め、フェージャは更に愉しそうに笑った。

こういう時の彼は大概、これからの事を考えている。きっと今回も想像して笑ってる。


「はぁ...成程ね。悪いけど桂くん、君のその意見はこれから覆るかも知れない。」


目の前の青年は驚いたように此方を覗く。


「まさかアンタら...少女に爆弾持たせてあの人に遭わせる気じゃっ...」


「君、鋭いね。まぁ、君が今此処で知っても如何にもできない事さ。」


部屋に響き続けるチェロの音色を聴きながら桂青年の首にそっと手を当てた。


「君は忘れる努力をするべきだ。」


そう言い、私は彼の意識を奪った。




「Aさん、これと同じ型の爆弾を召喚しておいてください。」


いつの間にかチェロを弾き終えた彼から1枚の写真を預かった。


これは探偵社の所持する爆弾の型か...。


そして私はフェージャのしたい事を理解して笑って見せた。

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設定タグ:ドストエフスキー , 太宰治 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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呉 モヨ子 - 失礼します。とても美しい文章ですね!ドストさん格好良い…夢主の元ネタって罪と罰のラスコーリニコフですよね?私あれ大好きなので嬉しいです!更新頑張って下さいね! (2018年1月19日 6時) (レス) id: e69ac68703 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» 投稿遅れても全然大丈夫です!投稿される日が楽しみ〜(/ω\) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 名案ですね。その発想は在りませんでした(笑)投稿は少し遅れて仕舞うかも知れませんが尽力します。リクエスト、有難う御座います。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» リクエストOKなんですかっ!!?ドスト様と太宰様に迫られるお話とか書いて貰えませんか(//∇//) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 私もドストさん推しなので作品を書かせて頂けて幸せです。更新、頑張ります。リクエストなども在りましたらコメントして頂けると嬉しいです。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりん。 | 作成日時:2017年8月14日 3時

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