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suspicion ページ12

2人で港を歩いてから数日が経った。

今日はフェージャに外出を勧められ、一緒に出掛けて居た。


街の中を彼と歩いていると追手が数名居ることに気が付いた。

「…追手が2人。」ボソッ

私の呟きはちゃんと聞こえたのか、彼は私の背中を軽く叩いた。

そうして、彼に腕を引かれ人の少ない細い路地へやって来た。


追手の男たちは堂々と姿を現し、私たちと目を合わせないように取り囲んだ。

「はぁ…女も容赦無しか。勘弁勘弁、私の負けさ。」

「えぇ、この人数相手じゃ僕の異能も役に立ちそうも在りません。」

2人で両手を頭ほどまで上げながら降参の意を示す。

男たちは心底驚いたようだが手間が省けると思ったのか、私とフェージャを薬で眠らせ、何処かへ連れ去った。





目が醒めると顔に荒い布が触れた。

麻袋を被らされて居るのか…。


そして勢いよく取られる麻袋。

いきなり視界が眩しくなった為に無意識に目を細める。


「…そんじゃ、約束の報酬だ。」

「チッ…2倍貰っても割に合わんぜ。」


取引…か。

後ろで宝石を眺める男と背の低い少年が何かを話している。

そして、目の前に私と同じように拘束されたフェージャの姿。

拘束されてもウシャンカは外されなかったようだ。


暫く、フェージャの方を見ていると私たちの拘束されている独房のような場所に一人の男が入ってきた。

彼は部下からナイフを受け取るとフェージャに刃先を向けた。

「やァ、初めまして。マフィアの腑へようこそ。私はA。君たちが人生最後に話す相手だ。」

エースと名乗った男はそう云ってフェージャを縛り付けていたベルトをナイフで引き裂いた。

勿論、私のも解放してくれた。


「客人を冷たい床に転がして置く奴が有るか!衣服と飲み物だ!疾くしろ!」




こうして、Aとの取引が始まった。

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設定タグ:ドストエフスキー , 太宰治 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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呉 モヨ子 - 失礼します。とても美しい文章ですね!ドストさん格好良い…夢主の元ネタって罪と罰のラスコーリニコフですよね?私あれ大好きなので嬉しいです!更新頑張って下さいね! (2018年1月19日 6時) (レス) id: e69ac68703 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» 投稿遅れても全然大丈夫です!投稿される日が楽しみ〜(/ω\) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 名案ですね。その発想は在りませんでした(笑)投稿は少し遅れて仕舞うかも知れませんが尽力します。リクエスト、有難う御座います。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
REDRUM - きりん。さん» リクエストOKなんですかっ!!?ドスト様と太宰様に迫られるお話とか書いて貰えませんか(//∇//) (2017年8月14日 3時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - REDRUMさん» 私もドストさん推しなので作品を書かせて頂けて幸せです。更新、頑張ります。リクエストなども在りましたらコメントして頂けると嬉しいです。 (2017年8月14日 3時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりん。 | 作成日時:2017年8月14日 3時

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