revenge ページ17
今日は久々の非番。
他の構成員たちは各々の行きたいところへ行ったが俺は特に行く宛ても無く、本部にいた。
部屋の窓辺に腰かけて、横浜の街を眺める。
俺のいた貧民街は本部の真下にある。
目を凝らせば人も見えたりする。
暫く、眺めていると黒服が銃を構えているのが見えた。
取引を見られたのかと考えたが今は昼間。
こんな時間に取引など在る筈がない。
俺は興味本位でそこへ向かった。
すると、黒服に反抗する数人の子供たちが見えた。
俺は咄嗟に黒服の前へ躍り出た。
それはあの日の少年を見つけたからだ。
「…どけっ!任務の邪魔だ!」
「はぁ?なんの任務?」
「おいっ、此奴、敵兵一人で殲滅した切り裂き魔だぜ。」
黒服の片割れが俺を見てそう告げた。
「お前らは帰れよ。任務なら俺が引き継いでやる。」
すると黒服は悔しそうに顔を歪めて本部の方へ戻って行った。
「で、なんでその目をしている訳?」
「…お前にそれを言う必要はない。仲間を殺 された復讐を果たしたいだけだ。」
復讐…か。
「お前も仲間を殺されたのか。道理でその眼には見覚えがあったわけだ。俺も半年くらい前に仲間を殺されて、海に捨てられた。」
「…僕に貴様の話など関係ない。僕の相手はお前らポートマフィアだ。」
「そうか…ならば勝負をしないか?俺とお前で。俺が勝ったらマフィアに入れ。お前が勝ったら俺を好きにしろ。」
すると少年はいきなり、俺のもとへ攻撃を仕掛けてきた。
細い身体ではあるが攻撃は急所を狙っている。
俺は少年に目を合わせ、能力名を呟いた。
その瞬間に視界が少し低くなった。
目の前に構えるのは勿論、俺自身。
俺はあえて、少年にナイフを持たせた。
そして意識を基に戻す。
少年は自分の手元にナイフがあることに戸惑っていた。
戸惑っている隙に少年の腹に殴りを入れた。
太宰との訓練で殴られたように。
少年は僅かに吐血して、気を失った。
「俺の勝ちだ。マフィアに来てもらうぜ。」
少年を肩に担ぐと、路地の隙間から黒髪の少女が覗いているのに気が付いた。
「…これ、お前の兄貴か?」
俺の問いかけに少女は不安そうに頷いた。
「これから手当してやっからお前もついておいで。」
少女の手を握り、本部へと戻った。
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きりん。(プロフ) - Rさん» 有難う御座います!! (2017年6月11日 19時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
R - 今から読んでみます! (2017年6月11日 13時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - きりん。さん» ええ、もちろん。 (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - yumaさん» 読んでくださり有難う御座います(^言^)病んでるの好きでしょう?wwwww (2016年10月9日 22時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - いい感じに病んでますね(゚c_ (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2016年10月3日 0時