task ページ13
俺の能力には『終焉』という名前が付けられた。
なぜ終焉なのかは分からないが、違和感があるわけでもなかった。
「太宰、今日の任務は?」
「あぁ、今日は他のチームの手伝いに行ってくれ給え。どうやら尋問で行き詰っているようでね。
君の能力なら余裕だろう?」
「わかった。」
俺の異能が分かってから太宰に訓練させられた。
能力の発動を早くする訓練、相手をどう操るかという訓練、護身術、暗殺術…数えればきりがない。
その訓練の中で気が付いたことだが、相手を操るときに更に意識をすればそいつの感情から記憶、全てを読み取れることが分かった。
それから俺の任務とは専ら、尋問に使われた。
「よぉ、A。」
言われていた尋問部屋に着くと誰かに声をかけられた。
「中也か。今日の依頼はお前たちのチームか?」
「はぁ…そうだよ。手こずっててな。てか、お前いい加減その生意気な口調直せよ。太宰に何も言わねぇのか?」
「あぁ、言われない。敬語を使ってほしいのか?」
中也はあぁ、と頷いた。
「分かりました。これで宜しいですか?中也さん。」
「おっ、やればできるじゃねぇか。んじゃ、此処は任せた。後で報告書にまとめといてくれ!」
中也は走って部屋から出て行った。
他に任務があったのだろう。
そして、部屋の奥へ視界を向けると手足を拘束され、猿轡をされる若い男が見えた。
俺は男に近づき、猿轡を外してやった。
男は咄嗟に自分の舌を噛み切ろうとした。
「ったく、させるかよ。」
男の口に手を突っ込み、自 殺を阻んだが手に怪我を負ってしまった。
俺は少しの怒りに身を任せて男の目を見た。
「…『終焉』。」
その言葉とともに俺の頭の中に男の記憶が入ってきた。
マフィアの武器庫を狙った犯行か。
そして更に記憶を辿ると、見覚えのある姿が見えた。
細い包帯の少年…
他の若い男が少年を追って行った。
引き摺られてきた少年に取引を見たかと問いただす若い男の声。
少年は必死に首を振るが…
男たちに撃たれ殺された。
「おい!マフィアが来てるぜ!ソイツは海に捨てて逃げるぞ!!」
包帯の少年は黒い海へと消えた。
ある程度記憶を見終え、意識を解いた。
俺の頬を何かが伝っている。
「…涙、か?」
カオルの死の原因がわかった。
俺は無意識のうちにナイフを握りしめていた。
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きりん。(プロフ) - Rさん» 有難う御座います!! (2017年6月11日 19時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
R - 今から読んでみます! (2017年6月11日 13時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - きりん。さん» ええ、もちろん。 (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - yumaさん» 読んでくださり有難う御座います(^言^)病んでるの好きでしょう?wwwww (2016年10月9日 22時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - いい感じに病んでますね(゚c_ (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2016年10月3日 0時