検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:15,514 hit

task ページ13

俺の能力には『終焉』という名前が付けられた。

なぜ終焉なのかは分からないが、違和感があるわけでもなかった。



「太宰、今日の任務は?」

「あぁ、今日は他のチームの手伝いに行ってくれ給え。どうやら尋問で行き詰っているようでね。
君の能力なら余裕だろう?」

「わかった。」


俺の異能が分かってから太宰に訓練させられた。

能力の発動を早くする訓練、相手をどう操るかという訓練、護身術、暗殺術…数えればきりがない。

その訓練の中で気が付いたことだが、相手を操るときに更に意識をすればそいつの感情から記憶、全てを読み取れることが分かった。


それから俺の任務とは専ら、尋問に使われた。


「よぉ、A。」

言われていた尋問部屋に着くと誰かに声をかけられた。

「中也か。今日の依頼はお前たちのチームか?」

「はぁ…そうだよ。手こずっててな。てか、お前いい加減その生意気な口調直せよ。太宰に何も言わねぇのか?」

「あぁ、言われない。敬語を使ってほしいのか?」

中也はあぁ、と頷いた。

「分かりました。これで宜しいですか?中也さん。」

「おっ、やればできるじゃねぇか。んじゃ、此処は任せた。後で報告書にまとめといてくれ!」


中也は走って部屋から出て行った。

他に任務があったのだろう。



そして、部屋の奥へ視界を向けると手足を拘束され、猿轡をされる若い男が見えた。


俺は男に近づき、猿轡を外してやった。

男は咄嗟に自分の舌を噛み切ろうとした。


「ったく、させるかよ。」

男の口に手を突っ込み、自 殺を阻んだが手に怪我を負ってしまった。


俺は少しの怒りに身を任せて男の目を見た。


「…『終焉』。」


その言葉とともに俺の頭の中に男の記憶が入ってきた。


マフィアの武器庫を狙った犯行か。

そして更に記憶を辿ると、見覚えのある姿が見えた。

細い包帯の少年…


他の若い男が少年を追って行った。

引き摺られてきた少年に取引を見たかと問いただす若い男の声。


少年は必死に首を振るが…

男たちに撃たれ殺された。


「おい!マフィアが来てるぜ!ソイツは海に捨てて逃げるぞ!!」

包帯の少年は黒い海へと消えた。


ある程度記憶を見終え、意識を解いた。

俺の頬を何かが伝っている。


「…涙、か?」

カオルの死の原因がわかった。


俺は無意識のうちにナイフを握りしめていた。

report→←different abilities



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
設定タグ:文スト , 男主 , きりん。
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きりん。(プロフ) - Rさん» 有難う御座います!! (2017年6月11日 19時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
- 今から読んでみます! (2017年6月11日 13時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - きりん。さん» ええ、もちろん。 (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - yumaさん» 読んでくださり有難う御座います(^言^)病んでるの好きでしょう?wwwww (2016年10月9日 22時) (レス) id: 4bb6f05387 (このIDを非表示/違反報告)
yuma - いい感じに病んでますね(゚c_ (2016年10月9日 22時) (レス) id: 24df768a59 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きりん。 | 作成日時:2016年10月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。