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『ただいま。』
その言葉を、今日は自分の部屋から聞いた。
いつもはリビングで顔を見て「おかえりなさい」と返すけど、その気にはなれなかった。
顔を見たら噂のことを問い詰めてしまいそうで。
言い訳なんてされたら、「サイテー」って責めてしまいそうで。
『A……?もう寝た?』
寝た振りくらい上手くできたらいいのに。
『起きてるじゃん。ただいま。』
「……おかえりなさい。」
どれだけ腹が立っていても、どれだけ悲しくても、「おかえりなさい」だけは言わなきゃと思う。
いつもそれだけで先生は嬉しそうだから。
『A?…何かあった?』
「なに………」
『いや元気ないから、何かあったのかなって…』
「何かあったのはそっちじゃないの!?なに何もない顔しちゃってるの!?」
頭まで被ってた布団から飛び出して、眉をへの字に曲げてる先生につい怒鳴ってしまった。
私に起こる理由も権利もないのに。
『もしかして久保七瀬のこと?七瀬は…』
「七瀬!?なにそれ。さいってー!!」
同じ家に住んでる私を苗字で呼ぶのに、久保七瀬のことは下の名前で呼ぶんだ。
そっか、彼女だからか。
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杏子(プロフ) - 美由希さん» 美由希さんご指摘ありがとうございます。 (2017年3月2日 22時) (レス) id: 211a017d12 (このIDを非表示/違反報告)
美由希(プロフ) - これは実在するグループ名、または団体を使った二次創作です。オリジナルフラグをお外し下さい。運営に削除されています。 (2017年3月2日 7時) (レス) id: c582e4328f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子 | 作成日時:2017年2月25日 0時