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『な、に、言ってんの……』
「私はもう大丈夫だから。今度は先生の番だよ。」
先生の家に居候させてもらってからはや1ヶ月。
先生のおかげで男恐怖症も軽くなって、むしろ克服した。
「1人で抱え込まないで……」
先生の頬を伝う涙を拭いながら思う。
この人のことが好きだ、と。
『奈美………、』
私の知らない名前。
それが亡くなった奥さんだと、すぐに気付いた。
自分で利用してと頼んだくせに、胸が苦しい。
でもこれで先生が楽になれるなら、少しでも救われるのなら。
「んっ……、か、い……?」
『!?……奈美、……奈美』
名前を呼ぶと人が変わったように、私を撫でて、抱きしめて、キスをして……止まった。
「せんせ……?」
『……ごめ、』
「なんで謝るの…?」
『明日、』
「……」
『明日家に帰って、』
「えっ……」
先生に母からもう大丈夫だと連絡があったらしい。
もしそうだとしても、止めて欲しかった。
行って欲しくないと、帰って欲しくないと、言って欲しかった。
例え奥さんの身代わりとしてでも。
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杏子(プロフ) - 美由希さん» 美由希さんご指摘ありがとうございます。 (2017年3月2日 22時) (レス) id: 211a017d12 (このIDを非表示/違反報告)
美由希(プロフ) - これは実在するグループ名、または団体を使った二次創作です。オリジナルフラグをお外し下さい。運営に削除されています。 (2017年3月2日 7時) (レス) id: c582e4328f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子 | 作成日時:2017年2月25日 0時