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「ただいま〜……」
『遅かったじゃん。』
「まだ9時、」
『もう9時。』
食い気味な先生はまるでうるさいお母さんだ。
「別にいいじゃん、平気だよ。」
『平気とかの問題じゃないんだよ、まだ高校生なんだししかも女性は……』
「あーもううるさいなあ!!!ほっといてよ!!!」
本当は怒りたくなんかなかったのに、もう喧嘩みたいなことはしたくなかったのに
なんでこんな日に限ってしつこく説教するの、、、、、
『お願いだから心配させないでよ………、俺から離れないでくれよ……』
「……先生?」
倒れるように私を抱きしめた先生。
先生の全体重が乗っかって、支えきれなくて崩れ落ちる。
子供みたいに笑う先生が、今は子供みたいにわんわん泣いてる。
お願い、離れないで、一人にしないで、って。
なんとなく分かった気がする。
きっと先生の奥さんは事故か事件に巻き込まれて亡くなったんだと。
「大丈夫。先生、ごめんなさい……もう遅くに帰ってきたりしないから。一人にしない。」
そう言うと腕の力が緩まって、視線がぶつかった。
吸い込まれそうな先生の瞳。
無意識の中で目を閉じて、
先生は私にキスをした。
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杏子(プロフ) - 美由希さん» 美由希さんご指摘ありがとうございます。 (2017年3月2日 22時) (レス) id: 211a017d12 (このIDを非表示/違反報告)
美由希(プロフ) - これは実在するグループ名、または団体を使った二次創作です。オリジナルフラグをお外し下さい。運営に削除されています。 (2017年3月2日 7時) (レス) id: c582e4328f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子 | 作成日時:2017年2月25日 0時