茨の狙撃手2【ゴールデンカムイ】 (ページ24)

今日:9 hit、昨日:5 hit、合計:20,725 hit

72話ページ24

❖

❖

❖

片目を閉じて10秒…これが生死を分ける
ゆっくり目を開けると暗闇に目が慣れているのだ
リュウの紐を外して行けと言わんばかりに背中をポンポンと叩く
すると脱兎のごとき勢いでリュウは走り出した

うん、見える。これなら撃てる
森側の木の影からゆっくりと銃を構えリュウが噛み付いた奴の隣にいたやつの脳天を撃ち抜いた
まず、1人…

『今!!!森へ！』

リュウの反撃を合図とみたのか杉本達も一斉に風呂を飛び出した
Aはそれを確認した後、静かに森の中へと姿を隠した
場所がバレていては狙撃は難しい

『見つけた…』

3人殺した
こいつで4人目…Aはそちらへ向けてゆっくりと銃を構える
虫の音が少しでも相手を撹乱させてくれてればいいのだがと願うもここに住んで地の利を得ているならきっとそれは虚しい願いなのだろう

いや、まて何か変だ
盲目で敵を追いかけていて1人で行動するか？
私ならしない、必ず2人1組ないしは3人で組ませる
誰かが欠けてもカバーができるから…
と、後ろでがさりと草むらが揺れた

盗賊「見つけたぞ!!!」

『ｯ囮かよ…！』

振り返った時にはトゲトゲした棒をこちらに向けて突き出していた
それを既のところで避ける…頬は掠めたが……

どろりと血が伝う感覚がした
Aはそのまま草むらを転がり銃を背に回しナイフを握った
ここで殺してさっきのやつも…！

転がる際に拾った石を盗賊の顔面に投げつけAは蛇のようにそいつの背に回って首を掻っ切った
返り血が全身を赤く染める

盗賊「おのれよくも！！」

囮の方もこちらに気づいたようだ
先程殺した盗賊の獲物を握りぶん回した
一気に詰める距離を失った盗賊は一瞬狼狽える

それが運の尽きだ
Aは流れるように拳銃を引き抜くと1発、盗賊の眉間を撃ち抜いた

『コタンコロカムイの目を撃ち抜いたせいだぞ杉本…』

口に入った血をぺっと吐き出しながらAは山を降り始めた
もうすぐ夜明けだ
親玉を叩こう