23話(少し長い) ページ25
飲みかけのホットチョコを飲み干した。
『フジさん…どうして急に迷惑とか思ったんだろう……私からスキンシップするべきなのかな…？』
いくつか想像してみた。しかしそんなことできる気がしない。
『…やっぱりちゃんと聞いてみよう』
人生で1番大きな決断をした気がした。
+++++
『んん〜よく寝た…』
昨晩泣き疲れたせいか、気持ちよく目覚めた。
ささっと支度をして早めに家を出た。
牛沢に励ましてもらったことを思い返した。
『ちゃんとお礼言わなきゃ』
いつもより15分ほど早く着いた。
『あ、フジさんだ……』
きっとたくさんのファンの子から逃げるために早く来ているのだろう。
『時間あるし朝のうちに聞いちゃおうかな…』
部室へ向かった。
『ふぅ……今更怖気付いちゃダメだ…！』
一気に扉を開いた。
『…おはようございます』
｢はよー｣
｢…！お、おはよ｣
キヨとフジがいた。フジは一瞬驚いた。
Aは荷物を置いてフジの前へ座った。
『…フジさん』
｢な、なに…？｣
フジは読んでいた本を置いた。
『あの時…どうして迷惑だなんて思ったんですか』
｢俺がよく付き纏っちゃってたから｣
少し俯いた。
｢……他に好きな人がいるって言ってたから｣
『他に、だなんて言ってません…私はっ…！』
そこまで言いかけた時、フジに手首を掴まれた。
そのまま部室を出てほかの空き室へ連れてこられた。掴んでいた手を離すと教室の鍵をかけた。
『……？』
｢…ごめ…ん、でも、あの先は俺に言わせて欲しい｣
切れた息を整えながら話した。
｢俺さ、昨年くらいからずっと好きな子いたの。バイト先でさ、俺その子の名前も年齢も知らなかったの。｣
フジは少し笑顔になった。
｢その子ね、毎週ほぼ決まった日に同じものを買っていくんだよ。偶然にも毎回俺のとこ並んでくれてさ。変な話だよね｣
『…………』
｢それなのに俺、新入部員として入った子が忘れられなくなっちゃって。絶対離したくないって思って。俺本気で恋愛したことなんて少なかったからスキンシップも自分でわかるくらい多くなっちゃってた。それで不安になったんだ｣
彼は自身を嘲笑するように言った。
｢それで聞いたの、好きな子いるって、誰かって…そこでもし俺だったら……勢いのまま言ってくれるんじゃないかって思った。でも、そんなすぐ言えるわけないよね。俺ほんとバカだった、ごめんね…｣
フジは思いの丈をスラスラと話した。
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いんぽ(プロフ) - ナギさん ありがとうございます！とても励みになります!! (2018年12月26日 13時) (
レス) id: 0b17a3d543 (このIDを非表示/違反報告)
ナギさん - 話が面白く、すごく続きが楽しみです！ 投稿頑張ってください^^ (2018年12月25日 23時) (レス) id: da2fa269a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いんぽ | 作成日時：2018年12月11日 20時
