22話 ページ24
｢……もう帰るか｣
『…はい』
Aの涙は未だ枯れない。
｢別にフラれたとかそういうわけじゃないんでしょ｣
『はい、でも…』
Aが言うのを遮って牛沢は笑顔で言った。
｢思い込みで幸せ逃すのはつらいぜ？｣
『！…そうですよね、諦めちゃダメですね！ありがとうございます』
Aは半ば空元気でありつつも以前の笑顔を取り戻した。
｢(俺だってまだ脈なしで諦めたわけじゃねーしな)｣
乾いた涙のあとを目で辿った。
｢俺今日用事あって送れないや…気を付けて帰ってね｣
『はい、牛沢さんも暇を割いてくれてありがとうございました！さようなら』
｢ん、じゃぁね〜｣
今日は特に暗い時間なわけでもないので、Aは寄り道をしていくことにした。
『(こんな時はあのコンビニ行って癒しの店員さんに会いに行こう…)』
Aは少し早歩きで向かった。
しばらく歩いていくと、直ぐに明かりが見えた。
自動ドアが開いて足を踏み入れる。
いつもの店員さんが視界に映る。
『(…やっぱりカッコイイなぁ……あ、眼鏡変わってる…)』
Aはその人のレジへ並べるよう、客足が引くのを待った。
『(…んん〜眼鏡似合うなぁ…少し天然ぽく見えるのも良い…ハッ私なんかストーカーじみてないかな？)』
今更そんなことを考えながら空いたレジへ向かった。
｢いらっしゃいませ｣
ニッコリと挨拶をしてから目が合った。
『！…えと、ホットチョコお願いしますっ…』
｢260円になります…｣
Aは300円を出した。
ホットチョコとお釣りを受け取った。
ちらっと見てみたが、顔を少し伏せられて見えなかった。
『(あれ…目が合ったの嫌だったかな)』
Aはホットチョコの容器で手を温めながら帰路へついた。
『…なんか、誰かに似ているような気がするんだよね……』
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いんぽ(プロフ) - ナギさん ありがとうございます！とても励みになります!! (2018年12月26日 13時) (
レス) id: 0b17a3d543 (このIDを非表示/違反報告)
ナギさん - 話が面白く、すごく続きが楽しみです！ 投稿頑張ってください^^ (2018年12月25日 23時) (レス) id: da2fa269a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いんぽ | 作成日時：2018年12月11日 20時
