非日常72 ページ36
階段を降りながら、ライの口から出た言葉を必死で理解しようとするが、今の僕には不可能だった。 頭の血が引く感覚がしてからライの声が遠くなっていくのも分かったし、その状態で返答できたのも不思議なくらいだ。
降「ヒロが……くそっ……くそぉぉぉ!!!」
車に戻り運転席のハンドルを強く握り締めながら俯き、組織とライに対する憎悪を思いっきりぶちまけた。
降「必ず組織を壊滅させて……ライ、お前を殺してやる!」
セーフティハウスへ戻ろうと発車させようとした時、組織用の電話が鳴った。 画面にはvermouthの文字が並んでいる。
バ「もしもし」
ベ『ハァイバーボン、任務は完了したようね。 問題は起きなかったかしら?』
バ「えぇ。 特に何も」
ベ『そ、なら良かったわ。 その確認だけよ。 この後は何も無いから明日は休む事ね』
そう言うと電話は切られ、ツーツーと無機質な音だけが耳に響く。
はぁ、とため息をついて今度こそ車を発進させる。 幼少の頃からの親友はもうこの世にはいない。 それなのに涙すら流さず敵からの電話には声色を変えず淡々と答える様に、自分は半分黒に染まってしまっているのを嫌でも実感した。
セーフティハウスに着き、そのまま公安の仕事をこなしてゆく。
降「休める訳無いだろう。 こんな状況で」
誰にも届かない独り言が口から地面に落ちて行き、暗い部屋にキーボードを打つ音だけが静かに響いた。
──
───
元の世界side
松「おい諸伏! 何でお前までこっちにいるんだ! 寝てないで答えろ!」
松田さんが諸伏さんの腕を思いっきり引っ張り、強引に箱から出した。
「ヒッ! 寝てるだけだよね!? 血なんて付いてないよね!?」
萩「Aちゃん、血ってどういう事? まずどうしてこうなったのかを説明して?」
「ええと……」
不思議な夢を見た事から猫が諸伏さんになった事まで全部話した。 血については漫画のシーンを話し、胸ポケットの携帯ごと撃ち抜こうとしたと説明すると二人とも大激怒して、気を失っている諸伏さんを萩原さんがおんぶして尾石荘へ連行中。
部屋に入る前に友江おばちゃんに「またイケメンさん入る?」とウキウキで聞かれたので「もしかしたら」とだけ答えた。
萩「まさか諸伏までこっちに来ちゃうとはね。 しかも陣平ちゃんの時みたいに。 脈もちゃんとあるし目立った外傷も無し。 違うのは箱くらいだね」
「とりあえず変に動かしたりしないで自然に起きるのを待とうか」
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花札好きのハル(プロフ) - ナミさん» 楽しみに待っていただけたら幸いです。 これからもこの小説をよろしくお願いします。 (2020年9月26日 17時) (レス) id: 204028fd5c (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 返信有難う御座います。わがまま言ってしまいすみません。いつか書けたら楽しみにしております。ヒロさんの登場でこれからどうなるのか今から楽しみです。 (2020年9月25日 0時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
花札好きのハル(プロフ) - ナミさん» ごめんなさい! 赤井さんの逆トリの予定はありません……いつか書けたら良いなとは思っています (2020年9月24日 17時) (レス) id: 204028fd5c (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 返信全然遅くないですよ。赤井秀一さん登場してくれて有難う御座います。すっごく嬉しいです。ライの時の赤井秀一さんですね。赤井さんも逆トリップして欲しいですが、無理ですよね?もし可能なら見て見たいです。 (2020年9月23日 23時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
花札好きのハル(プロフ) - コメントありがとうございます! ワクワクしてもらえて嬉しいです! 頑張ります!! (2020年9月22日 20時) (レス) id: 204028fd5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花札好きのハル | 作成日時:2020年3月30日 2時