いつも通りの日常だと思ったのに 2【名探偵コナン】

非日常64 ページ28

話しながらトースターに食パンをセットし、油をひいたフライパンに卵を3つ落とす。 3分程で目玉焼きを完成させ、トースターから食パンを取り出す。 どの家庭でもトースターには食パン2枚までしか入らないのでもう1枚焼く。 焼けたパンに目玉焼きを乗せて……


「完成ラピ○タパン、サラダも作るから先食べててー」


萩「ジ○リ飯か懐かしいな」


松「おい味気の無い料理作り担当、今日は大学何時限目からだ？」


「1時限目から4時限目まで。 1時限目は9時10分からなんだ〜」


萩「え？ 今もう8時40分だけど……大丈夫？」


「…………嘘」


頭からサーッと血の気が引く気がして時計を見ると確かに針は8時40分をさしている。


「遅刻するっ！！ ごめんサラダこれで我慢してっっ！」


大慌てで野菜達をスティック状にカットしてお皿に盛り付ける。 私はラ○ュタパンを口に詰め込んでごちそうさまをし、身だしなみを整え歯みがきをする。 化粧はもはやせずマスクのみ着用し、用意しておいた物を持って行ってきますを言おうとした時に……


萩「ちょいと待った、おにぎり作ったからお昼に食べな？」


「えっありがとう、じゃあ行ってきます！」


風呂敷で包まれた弁当箱を渡され急いで尾石荘を飛び出す。 いつもの道を通ると遅刻確定なので、草がボーボーの手入れされていない路地裏を通る。


「……あれこの路地裏にこんなに大きな箱あったっけか……ってそれどころじゃない急がなきゃ！」


たまに通るのに初めて見た大きな掃除用具入れのような箱、近くには廃倉庫しかないのでこんな所に置くのは違和感がある。


「(廃倉庫から新しい店にでもするのかな？ まぁ私には関係無いか……)」


箱の思考を頭の隅に置いて全速力、予鈴の鳴る5分前に大学の教室に着きホッと一息。


「間に合った……最初は数学か」


教科書を広げてチャイムが鳴ると同時に教授が入ってきて難しい数字と単語が飛び交う授業が始まった。 数学は苦手なんだよ勘弁してくれ……


──
───

「さて4時限目まで終わったしおにぎり食べよ」


大学の外のベンチが奇跡的に空いていたのでそこで食べる。 風呂敷を開けると弁当箱の上に1枚のメモ用紙、何か書いてある。


『お疲れ様。 味気の無い料理作り担当が頑張れるようにおまじないをかけて作ったよ。 by防護服着なきゃ駄目でしょ』


「マジ神そしてジブ○飯」


千と○尋の神隠しを思わせる塩むすび、多分今までの塩むすびで一番美味しかったと思う。

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