たばこ、その後恋人失格【黄色】 (ページ10)

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沈黙を破って口を開いたのは

苦しそうな顔をした照。

「.....んでこんなに上手くいかねぇの...?」

「照」
「うるせぇよ

お前俺の曲、ほんとは好きじゃないでしょ？

俺の好きなもの全部嫌いなんでしょ？」

あまりに苦しそうな、悲しそうな顔をするから名前を呼ぶと、強い口調でそう言われた。

何も言えなかった。照のことは大好きなのに、照の好きなものは一つも好きになれなかった。
そんなだから一緒にいる時間が減ってもしょうがないことだった。

無理に私に付き合わせていた。

「本当はなんなの？別れたいの？

わかんねぇからちゃんと言えよ。」

照の夢の邪魔だけは、したくなかった。

なのに

___「もっとちゃんと、

　私のこと見てよ」___

涙が溢れるのを我慢しながら、そんな言葉しか言えなかった。

でも、見栄っ張りで意地っ張りな私は絶対に、照の前では泣かない。

もっと、私のこと見ていてほしかった。
友達だとしても、私との時間を増やしてほしかった。
好きになりたかった。たばこも、その友達も。

全部。