02 ページ32
「玄弥ってもしかしてあたしより可愛いんじゃないかな……」
手を組んでジロジロと顔を見たが、もはや玄弥は何も言わない。
「付き合っても玄弥が可愛くてあたしが悔しい思いをしそう」
「…お前さっきから何言ってんだ」
「鏡見てて自分の事、可愛いとか思っちゃったりする?」
「…………」
「あ、やっぱりあるよね」
「……………」
「特にこの角度とか凄いよ。斜め左上」
こうやってと斜め左上から玄弥を覗くあたしに、”俺はなんでこんな奴に告白したんだろう”みたいな感じで彼は頭を抱え出す。だけどそんな風に悩む姿さえ憂いを帯びて色っぽく見えるのだ。これを善逸達に教えたらどう言うかなとウキウキし出すあたし。
「分かった。玄弥は女の子に生まれた方が良かったんだよ」
「取り消す」
「え?なに?」
「好きだと言った事、取り消す」
突然のキャンセルにあたしは目を点にして「なんで?」と尋ねた。取り消す事自体は別にいいけど、唐突過ぎて逆に気になる。
「あんたと兄貴は凄くお似合いだと思うぜ」
「あら、そうかな」
「ああ、俺には手に負えな……勿体無く思える」
「ええええ、そうかなぁ〜」
「そういうことだ」
じゃあなと手を振って彼は去っていく。あたし数分前に告白されたんだよねと思いつつも、一人取り残された校庭裏に冷えた風が吹く。グッと伸びをしたあと、あたしも教室へ戻った。
素直じゃなくても可愛いと言って #煉獄杏寿郎→←手に負えない #不死川玄弥
73人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りん | 作成日時:2019年8月19日 13時