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「やぁ、何やら楽しそうな格好をしているな。なにかの祭事かな?」
この上ずった声は童磨だ。振り返れば、予想通りといった風な表情の童磨がニコニコしながらあたしを眺めている。
「そう。あたし一人で祭り」
「不思議な衣装だなぁ」
「可愛いでしょ。他の鬼達には不評だけど、堕姫はこの良さがわかるらしい」
「俺にもわかるよ。美味しそうな足だ」
「…食べさせないからね」
「ははは、冗談さ」
どうだか。笑っているが、あながち本気かもしれない。ところで、堕姫以外の鬼達はHALLOWEENに何の関心もないようだ。何も言葉を発しないが、今この空間に居る半天狗も玉壺も鳴女も見てるだけで興味は無さそう。
「あーあ。鬼に見せても下らない」
呟いたあたしに、お前も鬼だろというツッコミが飛んできそうだったが、溜息を吐いて鬼達のいる空間を後にする。
そして向かったのは無惨様のいる無限城の部屋。
「無惨様ー!」
意気揚々と部屋に飛び込めば、そこに無惨様の姿は無く、何故か猗窩座が居た。あたしを見るなりギョッとした顔をした彼は、呆れたように目を細める。
「お前……なんて格好で城をウロついているんだ」
「なんでここにいるの?無惨様は?」
「つい先程行かれた」
「えー!つまんないなぁ、もう」
そもそもは無惨様に見せようと思って拵えた衣装だったのに、なんてタイミングの悪いこと。
「せっかく作ったのに…」
結局鬼達にしか見せれなかったと眉をひそめていれば「早く着替えろ」と猗窩座に言われる。
「なんで?別にいいでしょ」
「良くはない。目のやり場に困る」
「これ悪魔なの」
「聞いていない」
そう言って視線を逸らした猗窩座。ムッとしたあたしは彼の前に回り込んで、港の鬼から聞いたあの言葉を彼に言う。
03→←お菓子をくれなきゃ #猗窩座 【HALLOWEEN】
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作者名:りん | 作成日時:2019年8月19日 13時