ただ好きでいたいだけ【再会編】 (ページ40)

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ホテルに戻れば､しんとした部屋が妙に寂しさを感じる。

紫耀からの連絡もなければ､

遊園地からさっきまでの出来事に
急激に疲れがきたのだろう。

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シャワー浴びた後､ラクな格好に着替えて

とりあえずテレビを付けてみた。

髪を乾かしていると、外が妙に騒がしいことに気づく。

窓から覗いて見れば､割と近くで起こっているようで
あの辺りバーがある商店街じゃないっけ？

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タクシー運転手さんの言葉を思い出す

" 最近ここら辺、物騒なので気を付けてください "

「まさかね…」

嫌な連想から抜け出すために
冷蔵庫からレモンティーを一口含む。

数十分経って､握り締めていた携帯から
ようやく着信が鳴り、紫耀と表示された画面に
即通話に対応する。

「紫耀!」

聞こえた声は､弱々しく少し震えていた｡

紫耀《今…病院に居て…》

「…どういうこと？どこの？」

詳細はまた明日話す､とだけ言われ

冷静にいられない私は
強めに紫耀に問い掛ける。

紫耀《俺が…原因でトラブルが起きたんだ､》

テレビからニュースが流れる

パッと速報と表示され
続けて【商店街刃物に刺され男性1人重症】

「……えっ､」

紫耀の話とニュース

信じたくないが、一致するばかり

紫耀《通りすがりの人が俺を庇ってくれたんだ…》

_ 【重症】永瀬廉 (24)

紫耀が無事で良かったとホッとしたにも関わらず

頭が真っ白になった。

気づけば､足元にはレモンティーが広く染められていた。

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