#03-3 ページ9
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さっきの電話のことをママに聞くと
『はは、気にしなくていいわ‼』
と、言われてグラスを磨き始める。
『あら、やだ。指輪してるじゃない。既婚者なの?』
綺麗ね〜とそっと左手に触れて
大事そうに指輪を見つめる。
「婚約指輪…と言いますか」
『素敵ね』
指輪を見て思い出した。
携帯から紫耀からのメッセージが溜まっていて
" ホテル着いたら電話して "
そろそろ連絡しないと、心配掛けちゃう
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" もうすぐ着くけど、すぐにシャワー浴びたいから、その後連絡する "
すぐに既読が付くと" 了解 "とスタンプ。
紫耀もぶっ通しで出張続きで大変だろうし
ジンさんも明日大丈夫か心配だ。
あとでオーナーに連絡しとこ
優雅なお休みかと思ったけど、
そうでもない1日。
仕事よりも大変かもしれない。
ふぅとため息つくと、ママが「あ、きた」と漏らすと
どこから奥の部屋に行ってしまった。
ぽつんと残された私は、
ボーッとテレビなんか観ていたら
扉が開いて、すぐさま「銘柄これでよかったすよね」とこちらも見もせずに入ってくる人に
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咄嗟に左手を右手で被せて隠してしまった。
視線が重なるその瞬間まで声が出ないまま
廉「…」
確かに、目の前に廉がいる。
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作者名:おもち | 作成日時:2021年2月22日 19時