31 時効 ページ32
「ふぅ、魔法使いさんも来たわけだし、休憩タイムと致しましょうかね」
リビングのソファに腰掛け、そのままソファの柔らかさに沈む勢いで体重をかけると疲れが僅かに暖和される気がした
「で、一体実験の方はどうなってるノ?危険性がないか一応知っておきたいんだけド」
「あぁ、それ企業秘密なんで言えませんね。私も一発世界の中心に立って愚者どもに救済の光を、……なんて思うんですけど中々上手く行かないのですよ。言えることは、それだけです」
未だ気を使うように座らず佇む魔法使いさんを見て言えば苦笑される
「愚者ども、カ」
「…立ってるのもなんですし、座れば良いじゃないですか、ここ、」
思い悩む魔法使いさんに向けて、私の隣にぽっかり空いた隙間をポンポン叩くと渋々といった様子で隣に座る
隣に肩があるのが心地良くて、そのまま魔法使いさんに寄りかかれば、それを阻止する声も何も聞こえない。
どうやら受け入れているらしい
「そういえば親ハ?」
「親なら共働きなので、居ませんよ。まぁ母の方は勤務時間的にそろそろ帰ってきそうなので長居はお勧めしません。問い詰められたらクソイラつくので」
「生存確認しに来ただけだからすぐおいとましようと思ってるんだけどネ」
「ふーん、そうだ、見せたいものがあるんですよ」
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「ほれ!」
「うわァ……」
両手に乗っかる愛らしいカエルを確実に引いている魔法使いさんに見せつければそんな間抜けな声が聞こえた
「アフリカツメガエルです。脱出しやすいんですけど、すぐ私の元に戻ってくるんですよー、とっても可愛いでしょ?」
「そのカエルもどうセ……」
「はい、ご察しの通り、研究材料として解剖させていただきます、最上級の幸せを与え、最終的にぶち壊す、ハッ、無様ですね」
「良い性格してるヨ、ホントに。それじゃあもう帰ろうかナ、短い時間だったけどありがとウ、とりあえず危険なことはしないよう二、」
壁にかけられた白と黒の時計を眺めながら言うと、切なそうに微笑んで別れを告げる
たまにはこういうのも楽しいかな、なんて
「良い暇潰しになりましたよ。それじゃあさよなら、魔法使いさん」
災厄が訪れてしまわない内に
そう告げた
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plum(プロフ) - あおばさん» コメント有難うございます!こちらこそ応援してくださり感謝です、これからも頑張りますので是非plumをよろしくお願いしますね (2017年10月10日 0時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
あおば(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白くていつも更新を楽しみしてました!!これからも頑張ってください!! (2017年10月9日 19時) (レス) id: b75586ec16 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - すのーどろっぷさん» コメント有難うございます!面白く出来て良かったです。何とかあの二人を結びました(強制)。こちらこそ最後まで見てくださりありがとうございました。これからも頑張っていくのでよろしくお願いしますね (2017年10月9日 14時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
すのーどろっぷ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後までとても面白かったです!夢主ちゃんと夏目くん、結ばれて良かった;;;←執筆お疲れさまでした〜 (2017年10月9日 14時) (レス) id: 9445aaa6c2 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - うろとさん» コメント有難うございます!楽しんで頂けて嬉しいです…!夢主のことですから猫語のみでなくきっと他にも色んな言葉を使ってる気がします笑 (2017年10月6日 17時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:plum | 作成日時:2017年9月1日 20時