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22 彼の情け ページ23

「待ってたよ」

「…お待たせ」


彼のクラス、A組に立ち入れば美しい絵図が私の視界を彩った

黄昏にポツリと浮かぶ夕日に照らされた彼はとても幻想的だった

思わず見入ってしまうほどに

その彼がこちらに振り向いてしまえば オレンジに染められた黒い瞳が対照的な色をした私の瞳を見つめた
橙と浅葱が交わった


「君が動こうとしないなら、事態は一向に変わらないよ。強いて言えば嫌な方向に進む、それでいいならずっと立ち止まっていなよ、永遠にね」


そういった彼の目は珍しく曇っていて、……狂気の沙汰とでも言うか そんなものを感じるほどに冷たかった
彼の言葉はいつも私を甘やかすような、私を怠惰にさせるような言葉なのに

今の言葉は珍しく私を痛みつける言葉だった


「私のこと、理解してるとでも言うの」

「分かるよ」


恋する乙女ほど分かりやすい人間はいない

彼は言った
その言葉は私をどこか否定しているようで、悪意さえも感じてしまう


「研究、してみたいんじゃないの? 恋という名の謎をね?」

「それで自分がしてしまうなら研究もクソもないよね」

「良いよ、君は人間になればいい。君は他の人間に比べて価値のある者だから」


自分がこの地球を汚した嫌で嫌で仕方がない人間に近付くのがもっと嫌で、
自分が同じになってしまうのが吐き気がするほど嫌で、


自分の価値が1つも無くなるんじゃないかって


「そもそも恋なんかしてないから……!!

魔法使いさんはただの恩人で、ただの赤の他人だから!!」

__


言ってしまった
かつて出したことの無いほどの大声で叫んだのは魔法使いさんへの軽蔑の言葉

本当は赤の他人でも、恩人に留まらない何かがあるはずなのに

うつ向いて吐き出した言葉を改めて理解し正面を眺めると明らかに動揺した幼なじみがいた
目を丸くしていて、まるで、子に反抗された親のような顔


…ごめん、なさい
大声を出して、 何の罪もない貴方に怒って



「帰ろっか」

「……」


私の心を悟ったように 一瞬切なそうな顔を見せると優しく微笑まれ、手を差し出される

そんな頼りがいが無さそうな手に自分の手を重ねれば 空っぽになった怒りが、みるみるうちに彼の恩恵によって満たされていった


優しいよ、キミは、 本当に

だから、今だけ頼らせてよ





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モチベ上がらねぇ( ˙-˙ )

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設定タグ:あんさんぶるスターズ , あんスタ , 逆先夏目   
作品ジャンル:恋愛
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plum(プロフ) - あおばさん» コメント有難うございます!こちらこそ応援してくださり感謝です、これからも頑張りますので是非plumをよろしくお願いしますね (2017年10月10日 0時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
あおば(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白くていつも更新を楽しみしてました!!これからも頑張ってください!! (2017年10月9日 19時) (レス) id: b75586ec16 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - すのーどろっぷさん» コメント有難うございます!面白く出来て良かったです。何とかあの二人を結びました(強制)。こちらこそ最後まで見てくださりありがとうございました。これからも頑張っていくのでよろしくお願いしますね (2017年10月9日 14時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)
すのーどろっぷ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後までとても面白かったです!夢主ちゃんと夏目くん、結ばれて良かった;;;←執筆お疲れさまでした〜 (2017年10月9日 14時) (レス) id: 9445aaa6c2 (このIDを非表示/違反報告)
plum(プロフ) - うろとさん» コメント有難うございます!楽しんで頂けて嬉しいです…!夢主のことですから猫語のみでなくきっと他にも色んな言葉を使ってる気がします笑 (2017年10月6日 17時) (レス) id: 78b8758350 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:plum | 作成日時:2017年9月1日 20時

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