【踊り手】可愛くても男なんです。２【男主】

▽６９話 ページ37

＊


あとはめろちんと、みんなで踊るだけになった


あんなに緊張していたのに、今では楽しんで終わるのが名残惜しい


やっぱり自分も見てる人たちも笑顔にするダンスが大好きだってイベントや、些細なことで思わされる



｢…なあかわひめ｣

『ん？』



舞台横でスタンバイしてる俺とめろちん


真剣な声で話しかけてきためろちんにちょっとびっくりしながらも答える


［さてさて、続いてはめろちん＆かわひめです！！！］


『めろちん？始まるよ？』


司会者が呼んでも出ていこうとしないめろちんに戸惑う


｢...ごめん、先に謝っとく｣

『は？…っ、うわ！？』



嘘だろ、！？


『めろちん！？え、？！』


当の本人は俺の声など聞こえてないかのようにステージへと足を進める


［あれ、遅いですね？もう1度呼んでみましょうか……あ！おっとこれは！！］



観客の声が、りょーくんの時とは比べ物にならないほど騒いでる


そりゃそうだよな、だって今俺……



お姫様抱っこされてるもん(白目)


［これはどういうことでしょう！かわひめさんがお姫様抱っこされています！まさしく姫ですね！！］


だから興奮するなって司会者...
目めっちゃきらきらしてますけど


｢いやー、ちょっとりょうがやりおったので、俺も負けてられねえなって！｣


にこっと笑うめろちん


いやお前らどこで勝負してんの？


とかいつもの俺なら思うだろう



今はそんなこと思えねえよ！
今絶対顔トマトだわ！！



案の定、｢顔赤くてかわいい！｣｢ひめちゃんかわいいー！｣など聞こえてくる



『は、恥ずかしすぎて死ねる…』

｢っ、！｣


小声で言い、顔をめろちんの胸元に顔を埋める


俺の行動にびっくりしためろちんが急いで俺をおろした



［あー、みなさん夢の時間はおしまいですね！さあ、熱が冷めないうちにめろちん＆かわひめで｢ハッピーシンセサイザ｣行っちゃいましょう！］



この司会者鬼畜かよ！？
俺ちょっと切り替えがついていけないんですけど！？


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ファインside


あっちゃー…やっぱなんかやらかすと思ったんだよなあ


｢わ、わ、めろちん大大大胆！！ひめさんがもう女の子にしか見えなくなった…｣


でもめろちんが人前であんなことするなんて、相当焦ってるのか？



｢また何か考え事？｣

｢いや、さすがに無理だろかひめがめろちんをお姫様抱っことか｣

｢それはひめさんに悪いけど当たり前｣

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