付き合っている気でいる彼氏と片想いだと思い込んでいる彼女。【エース・トラッポラ】

file.27 主人公＆エース ページ30

【その日の夜 in ハーツラビュル寮】





「なぁデュース…」






「ん？」






「付き合ってどんぐらいでキスできると思う？」







「キッ！？」






デュースはものすごい勢いでこっちを見た。






「…僕に言われてもわかるわけないだろ…というか、そういうのはエースのほうが
分かってるんじゃないのか？」






「そーなんだけどさ」






昨日監督生と手繋げるまではいったけど…
それ以上は拒否されちまったし……
じゃあキスまで何十年かかんだよ、って話じゃん。







「っていうか、監督生とまだそこまで行ってないのか？」

(風呂は入るのに…)







「そーなんだよ。最初は手繋ぐのも
ダメって言われたわ。
今は恋人繋ぎで精一杯って感じ？」







デュ(風呂は入るのに！？)







「た、たしかに…女子ってわからないな…」

(許容範囲が……)







「まー、監督生らしいっつーか、なんつーか……」







……てか、付き合って初日はあんな積極的だったのに
俺って監督生にめっちゃ振り回されてね…？







「なるべくアイツに合わせたいけどさー、
俺の身がもたねーよ」






「……一応大事にはしてんだな…」






「うるせー。…でもさ、よくよく考えてみたら
俺こんな我慢する必要なくね？
なんでキスすんのもダメなわけ？」






「…急に開き直ったな」









【一方 オンボロ寮】







[私！○○のことが好きなの！付き合って下さい！]







[悪い、俺はお前をそんな風にはみえない。
今まで通り、友達のままでいよう]







『あぁぁぁあぁ！！！しんどいしんどい！
このまま友達でなんていられるわけないじゃん！
バカなの！？？何この脳内お花畑男！！』






「………たかが映画で感情移入しすぎなんだゾ…」






※恋愛映画でイメトレ中







その後、グリムにエース役を頼んで
告白する練習をしたけど……








『…私、ずっとエースのことが好きでした。
付き合って下さい』








「お前よりツナ缶のほうが好きなんだゾ」







『カット！エースはそんなこと言わない！
やり直しです！』







「……めんどくせぇ〜……こんなヤツ
絶対彼女にしたくないんだゾ……」








『何か言った？』

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