付き合っている気でいる彼氏と片想いだと思い込んでいる彼女。【エース・トラッポラ】

file.26 主人公 ページ29

【in オンボロ寮】




朝から騒がしかったけど、なんやかんや
午前中はエースとのんびり過ごした。


午後からエースはまた部活があるようで、
早めにオンボロ寮を出ることになった。





「じゃーな監督生」





『うん、部活頑張って』





「………あのさ」





『ん？』





すると、エースは少し照れた様子で言った。






「……明日、11時な」






………ん？？11時？なんかあったっけ？






『うん？………え？』






「……あと、別に服装とか気ィ遣わなくていいけど
暗めより明るめのほうが好き」






『服装？……あっ』






そこでハッとなった。
そういえば明日、映画に行く日だった！！


昨日、今度こそ映画に行く約束したんだ！






『うん、分かった。』






「じゃあ明日11時な」






そう言ってエースは部活へ行ってしまった。







………ずっと気になってたけど、
エースは、私のことどう思ってるのかな。






映画に誘うってことは
ある程度好感は持ってくれてるんだろうけど……





スキンシップが激しいから
なんとも言えないんだよなぁ……





でも、このまま友達でいるのも嫌だ…






「ん？エースのヤツもう帰っちまったのか？」





『グリム！私決めたよ！！』





「わっ！いきなり大声出すんじゃねぇ…
びっくりするんだゾ……」








明日、エースに告白しよう。






フラれてもエースのことだからきっと
友達のままでいてくれるはず。
それはそれでツラいけど……







『グリム！早速練習に付き合って！！』






「は〜？？なんでオレサマが…」






『今日ツナ缶奮発する』





「……しょーがねーな……」





※チョロい

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