付き合っている気でいる彼氏と片想いだと思い込んでいる彼女。【エース・トラッポラ】

file.2 エース ページ3

【オンボロ寮】


『エースどうしたの？来ないの？』


「あ、あぁ…お、お邪魔しまーす…」



やばい…！オンボロ寮には何回も来たことあんのに、こんな緊張することある？？
Aと付き合って初日とはいえ、こんな展開になるとは思ってなかったわ！！

コイツ、意外と積極的なんだな…



『待ってて、今お茶いれるから』



「あー…なんか手伝おうか？」



『え？珍しいね？エースが手伝うって言うなんて』



「あ…いや」



だって落ち着かねーんだよ！
コイツなんでこんな余裕なの！？俺だって男だよ！？
逆にコエーんだけど！




俺って男扱いされてねぇのかな……よし




「なぁ…お茶とかいいからさ、談話室のほう行こうぜ」




俺がそう言うとAは不思議そうな顔をして
「うーん、」と唸った。




『……まぁそうだね。早く終わらせたいし』



「急に雑じゃん。マジかお前」



『パパッと終わらせてテレビでも観ようよ』



「あー…うん」




まぁ、これがAにとっての普通のカップルの
過ごし方なんだろうな。

別に俺も悪い気しねーからいいんだけど。
てかコイツ妙に慣れてね？
彼氏とかいたことあんのかな…



『じゃあ、はいっ』



するとAは数枚のプリントを俺に渡した。




「ん何これ」




『何って、課題だよ。分担して早く終わらせよ』





「……え？？？」



　
結局、課題とテレビ観て終わった。



　
(……何も恋人らしいことしてなくね…？)

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