☆45 ページ45
「ごめんね」
休日出勤をしていたから
少し遅れて来た彼
「ううん
ちょうど昼休み取ろうと思ってた所だから
A、何食べる？」
メニューを見やすい様に
こっちに向けて広げてくれた
「…」
これから言うことを思うと
食欲なんてない…
「…じゃ
コーヒーにしよっか」
「うん…」
私の様子を見て察してくれた
コーヒーを2つオーダーして
テーブルに肘を付いて
身を乗り出して
彼から話を切り出した
私が話しやすい様に…………
「恋する勇気…出た？」
こくん…と頷いた
「ごめんね…アキラ」
「ううん…」
「…うん
期待させちゃったね…
この前も話したけど
彼……は恋しちゃダメな人なの
今も頭では分かってるの
上手く行ったとしても
なんにも保証…ないし
だから
アキラが言ってくれた様に
アキラを選んで幸せになる方法を
選ぼうと思ったの
だけど…」
「気持ちは大きくなるばかり？」
「…うん」
「すげーその気持ち分かるよ
俺とおんなじ…」
「でね…彼が
帰国したら…気持ち伝えようと思ってて」
「Aなら大丈夫だよ
こんないい女いないよ」
「…言い過ぎ
30半ばのおばさんだもん」
「俺だっておじさんだよw」
「…そだねw」
最後は笑えた…
お店を出て
アキラが立ち止まる
「あのさ…」
「…」
「もしだよ…
もし……Aの想いが伝わらなかったら
もう一度…俺との事、考えて」
「……」
「諦め悪いね〜俺www」
そんな…虫がいい話に乗れない
「支えが必要だろ？
前の時…言えなかったからさ」
「あの時は…」
「俺が居るから…大丈夫!!」
「アキラはそれで良いの？」
「いいの。俺は
またちょっと片思いが伸びるだけたからさ
あっ…もう行かなきゃ
じゃね」
「あっ………」
小走りで
会社に戻る彼の寂しそうな背中を目で追った
…アキラの優しさのおかげで
勇気でたよ
『ありがとう』
と…
アキラにLINEを送った
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作者名：moco
| 作成日時：2018年3月7日 23時
