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*
「……女性を相手にしたい、とか思ったことないんですか？」
「えー？特にないかなぁ。昔は思ったかもしれんけど」
唸りながら答えた志麻さんは、ふと此方に目を向けると、唇で弧を描いて笑みを深めてみせた。思わず身構える。
……な、なんですか。
「……なぁに、幼心でも思い出させてくれんの？」
予想外の言葉に目を見開いた。一拍遅れて逃げようとするも、志麻さんの方が一足速く左手をこちらに伸ばしてくる。
頬の輪郭を指先でゆっくりなぞられた瞬間、何故か力が抜けて体が逃げようとするのを辞めてしまった。……ちょっとねぇ、速く動いてよ。
故意的な行動ではなかったが、動きを止めた姿を肯定だと思ったのか志麻さんはくつくつと笑う。かと思うと指を離して誘うような目付きで言葉を放った。
「目が語っとるよ。触れたい、ってなァ？」
僅かな吐息が、頬にかかる。ぞわぞわと心を優しく逆撫でされるような感覚がした。
また混乱してきた私に対して志麻さんは「恥じらわないで素直になれば？ほーら」と追い討ちをかけてくる。
……ちょっとまって、上手く頭が回らない。
ゆっくり甘美な毒に浸からされているような、水面下で段々と染まらされているような。心の底から何かが叫んでいるような感じがする。
早く、否定しなくちゃ、
「っち、違いますっ……」
やっとの事で絞り出したその声は芯が通っていない情けない声だったが、志麻さんには届いたようで小さく笑うと一歩下がってくれた。
「そぉ？ざーんねん。また気が乗ったらお願いね」
「……乗らないです！」
「えー？とか言って破廉恥なんじゃないのー？」
巫山戯ているような声にふつふつと羞恥心が湧き上がってくる。
というか、挨拶は終えたから今すぐにでも帰りたい。何か言って帰らせてもらおう。
「そんなことありません清純は保ってます！失礼しました！」
丁寧に言おうと思っていたが、志麻さんの顔をを見た瞬間恥ずかしさが浮かび上がってきて若干叫ぶような言い方で告げると部屋の外へ逃げてしまった。
襖を閉じる瞬間に聞こえた「生娘か教えてくれるんやな」という笑いを堪えたような言葉に恥ずかしさが倍増する。
「……っ食われた……」
一人になった空間で静かに呟く。
当たり前だけど本気ではなかったようだ。それでも十分な刺激なのだけれど。
……本気でやられたら叫び散らかすことも出来なかったかもしれない。こう言ったらあれだけど、特殊な趣味の方で良かった……
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
