恋の3さじ ページ9
Aからの手紙を恐る恐る開ける。そこにはいつもの達筆な時で短い文が書かれていた。Aが言うにこれは詩で想いを伝えるための手段だと。口で伝えてくれる方が俺としては100倍わかりやすいんだけど。もう何回思ったかもわからない言葉をしまい込み、ふと気がついた点を指摘する。
「これって俺に宛ててだよね?」
『もちろんですわ』
「そうだよね。あとこれの前のやつとも合わせるんだけどさ、なんで最近 俺がいなくなってる前提の話なの?」
『あら善逸さんはご存知なくて? 少女はいつだって、恋人の死を想像してしまうのよ』
「しらないよ!」
それに恋人でもない。というか全部違う。Aの中で俺何回か殺されてるってこと?? 正気か?
確かに亡くなった人を想いながらの詩は綺麗だ。でも俺生きてんだ! ごめんなさいね!!
『喩えでもあまり良いものではありませんよね。ごめんなさい。わたくしはただ、善逸さんを一途に恋い慕うと伝えたいのですわ』
「もう十分届いてるから! 暫く控えて欲しいな! 詩自体も」
『それは困りますわ。もう次の内容がおおまかに決まっていますの。心中もので』
つい口が滑ったようでAが慌てて訂正しようとするが聞こえてしまった内容にこちらは度肝を抜かれている。
心中!? 軽く言ったなオイ! 喩えでもあまり良いものではないぞ馬鹿! 一分前に言ったの誰だよ!
俺の心情を読み取ってかAもいつになくムキになって反論する。……少しズレた所を。
『軽い気持ちではありません! 本気ですわ!』
「なにそれ俺と一緒に死にたい訳?」
『書いている時はそのつもりですよ。でも…貴方の顔を見るとまだ生きたいと、わたくしは思ってしまうのです』
だからさ、口にしてくれよそれ。口論は俺の負けでいいよもう。
Aが苦手だった。
Aと話していると好きになってしまいそうだから。
Aの詩が嫌いだった。
−−−−
走り書きですごめんなさい。
さらりと善逸視点です。口調あやふやマン。
女の子好きなキャラから嫌われてみたいのってあるあるじゃないですかね? こころなしか口調強くなってるかも。
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作者名:ココさん | 作成日時:2019年11月19日 0時