【鬼滅の刃】現し世こそ夢 (ページ12)

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からかわれてるページ12

『と、ときとうちゃん……？その、とても、えっと』
「とても、なに？」

『近いです…』

両手を一纏めにされ優しく押さえつけられる。振りほどくことは容易だけれど雰囲気がそれを拒む。なんで私は年下にこんな目と鼻の先まで近寄られてんの？いやほんとに近すぎ。
視線は熱っぽくこちらが溶けてしまいそうだ。

「ねぇA。……いい？」
なにが！？承諾したら何をされるの！？？こっっわ、天才こわぁ。時透ちゃんの空いていた手がこちらに寄せられる。無意識に目をぐっと瞑った。

『……はぇ？』
するりと、三つ編みが解かれた。そのまま同一化させるように隣の髪と合わせて櫛のように梳かれる。瞳ぱちくりさせていると時透ちゃんの手がまた移動する。こんどこそくるかっ…。

彼の少し冷たいては私の耳に触れた。あ、あら？そこには耳飾りしかなくてよ？とられた。お気に入りの薔薇が。もう一方も。なんだか化粧を落とされているようで擽ったい。

「うん。こっちのほうがいいよ、かわいい」

髪留めと耳飾りを私の手に握らすと愛おしそうに頭を撫でそう呟く。

こいつ私のこと好きなんじゃね？？？

自意識過剰とかじゃなくて、ほんとに。常日頃からなんとなく好かれてるだろうなと思っていたけれど。てかなんだよ、キスされるのかとてっきり。私の心が汚いだけ？それある。

『用は済んだ？なら離れてほしいな』
「わかった。あ、その前に」
『まだなにか……ん！？』

「じゃあね」
頬に僅かに熱が残る。
あ、あのガキ。やりやがったわ。
油断してたというか、結局何もしないと思ってたから不意打ち。

やっぱり彼は侮れない。