第十九話 ページ21
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放課後。入部届けの締め切りは一応今日までだが、
今でも私は悩んでいた。
弓道部に入部すれば、中学の時では叶わなかった
大切な幼馴染と同じ''時間''を過ごすことができる。
二人を見守ってて、隣にいることが
私の幸せでもある。
二人だけじゃない、部内の新しい友達とも、
きっと、笑いあったり、励ましあったり、
時に悔しくて泣いたり、衝突したり。
そんな忙しない感情が蠢いて、
(──きっと楽しいんだろうな)
でも、私がなんで締め切り当日まで
悩んでいたのか。
弓道は初心者だからっていう理由でもない。
──なんで、お前なんだよっ……
──なんでお前がレギュラーで……
俺が補欠扱いなんだっ……！！
ごめんなさい
もう、あの時のことは思い出したくない。
頭上から浴びせられるその言葉も、
打たれて赤く腫れた手足も、
痛くて怖くて、一刻も早く逃げ出したかった。
誰が悪いのか。
私が悪いのか。
それとも目の前の人が悪いのか。
私がいなければ、その人は幸せだったのかもしれない、だとか沢山考えた。
途中で
というような未練はないわけではないけれど、
また戻りたいかと言われれば、
きっと私は首を縦には振らないだろう。
「──ぃ、おいっ！」
急に意識が現実に戻され、
気がつけば目の前には焦げ茶色の髪が視界に入った。
「ぁ、小野木くんだ。ぼーっとしててごめん」
「そこ邪魔だ、どけろ……って、お前か……
それ、入部届けのやつか？」
彼の目線の先は私の手元にある、まだ部活名を
記入していない用紙だった。
彼と話したのは、あの湊の早気の一件以来だ。
彼の行く先を無意識に妨害していたのが私だと
気がつくと、少し気まずそうにした。
うん。そうだよ。まだ弓道部に入るか迷ってる。
彼の問いにそう答えようとしたら、
上からかき消された。
「弓道部に入部するなら、あのへっぽこ野郎みたい
に逃げ出すんじゃねえぞ。
そうなるのが目に見えてるんなら今すぐやめろ」
「その''へっぽこ野郎''って、もしかしなくても
湊のことだよね……
湊は絶対戻ってくるし、へっぽこなんかじゃない！
小野木くんは湊の本当の実力を見てないから、
そんなことが言えるのよ！」
いつも小野木くんは、湊のことが気に入らないのか
平気で人が傷つくことを言う。
私は思わず彼の言葉に反応してしまった。
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千花(プロフ) - ぴぴるぴーさん» 素敵なコメントありがとうございます！新年早々既に風邪を引いてしまいましたが、頑張りたいと思います。愁くんのお話もそのうち更新していけたらと思っております。どうぞ今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月1日 8時) (
レス) id: a0bb3f43ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - 本当に素敵なお話で！もう、きゅんきゅんしながら読ませていただいています！愁君のお話もです！お体に気をつけて、更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2019年1月1日 6時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - Tao音さん» こんばんは。温かいコメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです！頑張って更新を続けてたいと思いますので、宜しくお願い致します。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: a0bb3f43ee (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - 終夜さん» こんにちは。いつもありがとうございます。私自身このようなことは初めてでとても吃驚しましたし残念に思いました。私よりも文才がきっとある方だと思いますので、ご自身の作品を大切にしてほしいと思いますね…… (2018年12月20日 12時) (レス) id: a0bb3f43ee (このIDを非表示/違反報告)
終夜(プロフ) - え、盗作？とうさく？トウサク？とても悪い行為ですが、それほど、千花さんの語彙力が羨ましかったのでしょうね。とてもお辛いと思いますが、お気を休めて下さい！ (2018年12月19日 22時) (レス) id: 7fadf68605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千花 | 作成日時：2018年11月17日 22時
