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第十二話 ページ14

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「そこの鳴宮湊くん。ちょっと引いてみて
くれんかのぉ〜」



突然トミー先生から言われた言葉に驚いた。

無理です。引きたくない。と遠回しに言っても駄目だった。

俺は半年以上も弓を引いていないのに。

それに俺はーー



「おい、弓は何キロ使ってんだ」


小野木にそう言われて、15。
と思わず言ってしまったが、これじゃあ俺が引くことになるじゃないか。


誰も腕前なんか気にしてなんかいない。
なんて言われても、無理だ。


「そうじゃない、そうじゃないんだ……」


「名前呼ばれておきながらうだうだ言うなよ」


ーー弓引きの端くれとして恥ずかしくねぇのかよ



その言葉を合図にか、弓を引くことになってしまった。

静弥は体操服を差し出し、如月は弽を持って来たが、俺は後者の方は受け取らなかった。


「森岡先生に言ったのか」

「何を?」

「俺が……持って来てること」

「言ってない」


静弥が答えたあと、如月に弽はどうするのか聞かれたが、いい。と言って、
俺は鞄から自分の弽を出して準備をはじめた。






弓道の作法に従い、的前に移動する。


大丈夫だ。絶対に大丈夫だ。
あの時みたいなことは、絶対に起きない。



そう、信じていた。



だけど、俺から矢は離れたがるように、
会を保たないまま離れていった。



(ーー治っていなかった)





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設定タグ:ツルネ , 竹早静弥 , 弓道   
作品ジャンル:アニメ
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千花(プロフ) - ぴぴるぴーさん» 素敵なコメントありがとうございます!新年早々既に風邪を引いてしまいましたが、頑張りたいと思います。愁くんのお話もそのうち更新していけたらと思っております。どうぞ今後とも宜しくお願い致します! (2019年1月1日 8時) (レス) id: a0bb3f43ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - 本当に素敵なお話で!もう、きゅんきゅんしながら読ませていただいています!愁君のお話もです!お体に気をつけて、更新頑張ってください。楽しみに待ってます! (2019年1月1日 6時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - Tao音さん» こんばんは。温かいコメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです!頑張って更新を続けてたいと思いますので、宜しくお願い致します。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: a0bb3f43ee (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - 終夜さん» こんにちは。いつもありがとうございます。私自身このようなことは初めてでとても吃驚しましたし残念に思いました。私よりも文才がきっとある方だと思いますので、ご自身の作品を大切にしてほしいと思いますね…… (2018年12月20日 12時) (レス) id: a0bb3f43ee (このIDを非表示/違反報告)
終夜(プロフ) - え、盗作?とうさく?トウサク?とても悪い行為ですが、それほど、千花さんの語彙力が羨ましかったのでしょうね。とてもお辛いと思いますが、お気を休めて下さい! (2018年12月19日 22時) (レス) id: 7fadf68605 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千花 | 作成日時:2018年11月17日 22時

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