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「もう暗いからお家まで送ってくな。」
「すぐそこだし大丈夫だよ。」
「女の子なんやから危ないやろ？俺も帰るからせめて近くまであかん？」
これは彼の純粋な優しさなんだろう
「..ありがとう。お願いします。」
「ほないこ。足元気をつけて。」
正門くんはたわいも無い話をしながら、家までの短い道のりをゆっくり歩いてくれた
少しだけ跳ねた後ろ髪とサンダルの足元を
冷たい風がすり抜けてゆく
「暖かくなってきたと思ってたけど、まだまだ夜は冷えるなぁ」
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「あ、家ここだから、、本当にありがとう。」
「全然ええよ。..あれ？ここ？
Aちゃん、由紀子さんとこのお孫さんやったん？」
「そうだけど、、おばあちゃんと知り合いなの？」
「俺のおばあちゃんと由紀子さんお友達なんよ。
時々、家でお茶してるからたまに会うねん。」
「え、そうなんだ。」
「俺の家もこの道沿いにあるんよ。緑の屋根の無駄にでっかい家。なんかあったらいつでもおいで？」
「なんかってなに？笑」
「ん〜例えば、、お腹すいた〜！とか、誰か愚痴聞いて〜！とか？」
「なにそれ笑 」
「まぁ、ようはいつでも頼ってや。ってこと！
こうして出会ったんも何かの縁やし、仲良うしてな。」
「こちらこそよろしくね。知らない土地でもこうして誰かと話せるのはうれしいかも。」
「そう？よかった。ほな、またね。おやすみ。」
「送ってくれてありがとう。おやすみなさい。」
夜空には星が瞬きはじめていた
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この夏、わたしたちは
一生分の恋をする
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作者名：鈴芽 | 作成日時：2023年2月12日 13時
