Episode.2 ページ4
鞄に入っている教科書を黙々と突っ込む。
いつもと変わらない事だが、私は朝から爆豪君に会えたということで少し手際が良かった。
別に特別何か話したとかではないけど、それでも一緒に登校したような感じだ。
嬉しいに決まっている。
口が緩むのを感じ、少し力ませる。
すると前の方から跳ねながら近づいてくるピンク髪の女の子。
｢ なんかルンルンじゃん！いい事あったでしょ？ ｣
｢ そ、そんな分かる？ ｣
私の頬をつつきながら揶揄うように笑う芦戸ちゃん。
私が爆豪君を好き、ということを知っている数少ない内の1人。
バレた時はかなり焦ったけど、意外と秘密主義で誰にも言わないでくれた。
でも私が爆豪君と話すとぴょんぴょん跳ねるから少し危ういのは否めない。
｢ 見てたよ、今日一緒に登校してたでしょ ｣
コソコソと耳打ちされ、一緒に登校できたという嬉しさと恥ずかしさが入り交じって顔に熱が集まる。
その反応さえも面白いのか芦戸ちゃんはより一層笑顔になる。
｢ そんな、話したわけじゃないんだけどね。
朝から声聞けた ｣
顔に手を当てながらブンブンと足を振る。
本当、2年間大した話をあまりしていない私からしたら声を聞けるだけで幸せなのだ。
｢ 一緒にいたんなら話しちゃえよ、ほんと恥ずかしがり屋だよねぇ ｣
呆れたように言う芦戸ちゃんに、苦笑いを返す。
話せたら苦労しないよな。
心の中で呟いて爆豪君に目を向ける。
私の気持ちを全く知らない彼は、いつも通り上鳴達と話している。
あそこに私がいれたらどうなるんだろう、とボケッと見つめる。
と、刹那
爆豪君とパチリと目が合う。
その瞬間、大袈裟だって言われるかもしれないけど、本当。
周りの音が一瞬聞こえなくなった。
芦戸ちゃんの声も、上鳴の笑い声も。
｢ おいアホ面。1時間目何だ ｣
｢ え？俺知らねぇよぉ ｣
爆豪君の目が私を捉えて離さない。
上鳴に教科を聞いた時とは違い、本当、まっすぐ私だけを見ているかのように
｢ 教えろ ｣
そう言った。
明らかに私に向けて放たれた言葉。
予想外の展開に少し手が震える。
｢ 救助、訓練 ｣
絞り出してでたのは、聞こえるかも分からないか細い声だった。
そんな声でも聞こえたのか、爆豪君は満足そうに私から目を離した。
少し変わった、そんな一日の始まり。
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味噌汁らーめん(プロフ) - 嬉しいです･･･！ノロノロ更新ですが頑張ります！ (2020年8月8日 18時) (
レス) id: 40d3ea7f22 (このIDを非表示/違反報告)
羽依(プロフ) - ニヤニヤ通り越して爆笑するくらいときめきました……！！ (2020年8月8日 18時) (レス) id: 271dd9d042 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁らーめん(プロフ) - そらさん» タイトル間違えたみたいです…！！ご指摘ありがとうございます、変更させていただきますorz (2020年8月1日 21時) (レス) id: 40d3ea7f22 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 気のせいなのかもしれませんが、6と7が更新されてないですよ…！ (2020年8月1日 21時) (レス) id: 139992f19e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味噌汁 | 作成日時：2020年7月21日 20時
