Episode.1 ページ3
｢ もう私たち、3年生なんだね ｣
｢ 実感わかねぇよな。俺、まだ入学したばっかみてぇだよ ｣
隣に立つ彼、上鳴電気は髪についている桜の花びらを落としながら、そう言って笑った。
その笑顔は、入学当初より少し大人びているように感じられた。
大人びている、そう感じるのは、決して彼だけではない。
緑谷君も、飯田君も、お茶子ちゃんも。
みんな精神的にも、肉体的にも大人になっていた。
私は変わってないな、なんて寂しくなってしまう気持ちも心の隅に少しあった。
｢ お、あれ爆豪じゃね？ ｣
上鳴が指をさした方向、明るい髪を視界にうつした途端に跳ね上がる心臓。
爆豪、と呼びながら上鳴は走って行くが、私にそんな勇気はなく、ゆっくりと歩いて後を追う。
本当、私は何も成長していない。
精神も、肉体も、この臆病さだって。
少し横暴な彼、爆豪君を意識し始めたのは入学して間もない頃。
昔から惚れっぽい、
いわゆる恋に恋する女の子だと言われていた私は、ほとんど喋ったことない人でも好きになることが多かった。
爆豪君もその内の一人。
少しヤンキーっぽい爆豪君をかっこいいと思った私は、すぐに彼を目で追うようになった。
本当、最初はかっこいいな、という程度だった。
でも、ずっと見てる内に、どんどん惹かれていった。
顔やその性格だけではない。
しっかりと目標を持っていること、それに向かって努力していること。
彼のことを知る度に、もっと知りたいという気持ちで溢れる。
それが恋だというのに気づくのに時間はかからなかった。
｢ A！はやく来いよ！ ｣
先を歩く上鳴が私に手を振りながら叫ぶ。
多少戸惑ったが、断る理由もない。
私は大きく頷いて駆け出す。
桜の花びらが私の顔を刺激して、少しくすぐったい。
春を感じさせられる、そんな朝だった。
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味噌汁らーめん(プロフ) - 嬉しいです･･･！ノロノロ更新ですが頑張ります！ (2020年8月8日 18時) (
レス) id: 40d3ea7f22 (このIDを非表示/違反報告)
羽依(プロフ) - ニヤニヤ通り越して爆笑するくらいときめきました……！！ (2020年8月8日 18時) (レス) id: 271dd9d042 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁らーめん(プロフ) - そらさん» タイトル間違えたみたいです…！！ご指摘ありがとうございます、変更させていただきますorz (2020年8月1日 21時) (レス) id: 40d3ea7f22 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 気のせいなのかもしれませんが、6と7が更新されてないですよ…！ (2020年8月1日 21時) (レス) id: 139992f19e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味噌汁 | 作成日時：2020年7月21日 20時
