周りと違って何が悪い【wrwrd!】 (ページ21)

今日:37 hit、昨日:122 hit、合計:10,469 hit

★ ページ21

ut-side

俺が警戒を緩めたと同時にシッマは警戒をより強めた。

それが分かっていたかのように、Aは苦笑して言った。

『警戒を解けっていう方が無理なのは分かってる。仲良くするとかそういうのじゃなくていい。…俺は君らを少しでも守りたいんだ』

綺麗事だが、汚い心から来るものじゃなく本気のもの。

それが手に取るようにわかってしまったから、俺らに対して″普通″というものを見せてくれたから、リミッターが外れた。

何も感じないように、ただひたすらに自分に嘘をつき続けていた心はとっくに壊れかけていた。

『泣きたきゃ泣けばいいのさ、誰もそれを咎めないから』

Aに頭を撫でられながらそう言われ、そこで俺は自分が泣いてることに気がついた。

シッマには驚かれたし申し訳なかったけど俺は声を我慢することなく、しゃくりあげながら泣いた。

Aは何も言わず、ただ頭を撫で続けてくれた。

泣き終わる頃にふとシッマの方を見ると、泣くのを我慢しているシッマの頭を優しく撫でているAが見えた。

俺の頭を撫でながらシッマの頭も撫でているのを見て、嘘じゃないと、信用してもいいのではと思った。

しばらくして俺らが落ち着いたのを見てAが撫でるのをやめた。それを見てシッマに俺の意見を伝えると

「…ほかのやつとはちがうのはわかった、けどかんぜんにしんようしたわけやないから」

苦い顔をしながらだがそう言った。

『もちろん、ほんの1ミリでも信用してもらえたら充分！』

笑ってそう言うAのことがその時俺には理解出来なかった。