周りと違って何が悪い【wrwrd!】 (ページ20)

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★ ページ20

ut-side

Aと会ったのは俺が保育園に通っとった時やったはず。

家が隣同士やったシッマも同じ保育園やった。

小さい頃の俺らは人を信用しとらんかった。

だから誰に何を言われようが、何されようがどうでもよかった。

でも、そんな時に声を張り上げて俺らの周り囲っとった奴らを吹っ飛ばしたのがAやった。

『てっめぇら！！！ザコがイキってリンチしてんじゃねぇぞ！？！？！？！』

女子らしからぬ声で周りの奴らを吹っ飛ばしたAは人間不信の俺の目にヒーローのようにキラキラして見えた。

ut「…だれ」
kn「だれやおまえ」

俺の気持ちとは反して、低く声が出た。

シッマも低い声を唸るように出した。

そんな俺らに対して嫌な顔1つせずに

『俺は彩月A。君ら怪我なさそ？このザコ片すからちょい待っててね』

なんて言いよった。

Aはものの数分で囲ってた奴らを倒して涼しい顔で俺らに問いかけた。

『そんな綺麗な顔してるが故の人間不信なのかな？』

ut「…だったらなんなん？」

見たらわかるはずなのに何故か聞いてくるAに少し苛立った。

『いや？ただ、もったいないなって思って。俺はその整った顔大好きだからさ』

苛立っている声色だとわかっているはずなのに、それでも平然と、当たり前だとでも言うように答えるAに少なくとも俺はふっと警戒を緩めた。