記録6:君のために ページ6
彼女は僕が泣き止むまで背中を擦ってくれたりして、ただ黙って待っていてくれた。
「…落ち着いた?」
「うん…」
「とりあえず今日はもう寝ましょ。」
「分かった…」
彼女の用意してくれた寝袋に入り、目を閉じた。
嗚呼、まだAの気配がする。
きっと僕が寝るまでここで居てくれてるんだ。
もう少し彼女と話をしたかったが、焚き火の音と彼女が僕のそばにいるという安心感ですぐに眠ってしまった。
次の日目を覚ますと、彼女の姿はなかった。
「眩しいっ…」
キラーの部屋からはめったに見れない太陽の木漏れ日を見て僕は感動した。
こんな邪神の造った箱庭にも太陽は存在したんだと。
僕は寝袋から出て袋に戻し、背伸びをする。
「ん〜っ…はぁ…」
僕はその場でキョロキョロと見渡す。
彼女は何処に行ったのだろう。
「確実に小屋だと思うけど…場所が分からないなら探す意味もないな。」
僕は昨日と同じ切り株に腰掛けた。
焚き火の火は消えて灰になっている。
「そうだ!」
彼女のために木を集めよう!
僕も今はサバイバーなんだ。
Aに褒めてもらえるチャンスだ!
僕は森の中に鼻唄をしながら入っていった。
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作者名:おひさま | 作成日時:2021年11月28日 16時