#34 ページ34
os「グルッペン」
オスマンは1枚の紙をグルッペンに提出する。
gr「分かってる、行ってこい。」
グルッペンはため息をついて渋々紙を受け取る。
その紙は、"外出届け"
オスマンはあの日からずっと、月に1度は必ず旧エルタ国の跡地へ向かっていた。
綺麗な、花束を持って。
Aがいなくなってからというもの、城内の活気は著しく下がった。訓練は怠らずに日々続けているが、それでも3年の間、以前ほどの元気はないし、笑うことも少なくなった。
オスマンは立ち止まる。そこには石碑が立てられている。
石碑には、Aの名が刻まれている。
os「…お前がいなくなってから…もう3年も経つ…。
A…俺の、大好きなひと。
食事も喉を通らなくなった。すっかり痩せこけて、10kg近く体重が減ったこともあったんや。
もう一度、会いたい…。なぁ…A。」
すると、オスマンはあることに気づく。
1輪の花が、既に添えられていたのだ。
真新しい、綺麗な花が。
os「いや、いつもは俺以外なんも添えられて…」
聞き間違える、はずが、なかった。
何度も、何度も何度も！その声を、姿を、求めていた。
オスマンは振り返る。
階段の上に1人、髪をなびかせた女性がいた。
白いシャツに、シンプルな黒いズボン、そして、
"我々国の、軍隊ブーツ"
「オスマン」
os「…A？」
「うん。…みどりくん達から聞いてたけど、あなたが、私のところに花を添えてくれていたのね。ありがとう」
オスマンは駆け寄る。そして抱きしめる。
代わりはいない。唯一の、大好きな、大好きなひとを。
os「生きてて…良かったぁ!!!!!」
「…奇跡だった。みんなが助けてくれた、本当に、ありがとう…。」
オスマンは優しく優しく抱きしめる。彼女の生を、しっかり確かめるように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 641人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - 神でしょ！ (10月2日 22時) (
レス) @page38 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ノノルア(プロフ) - 初コメ失礼します！完結おめでとうございます！とっとってもおもしろくてまた読みたいなと思える作品でした！素敵な作品をありがとうございました！ (6月18日 13時) (レス) @page38 id: 3a2fea500c (このIDを非表示/違反報告)
ユキシラ(プロフ) - 初コメ失礼します！完結おめでとうございます！！すごく感動しました！素敵な作品ありがとうございました！ (2023年2月18日 20時) (レス) @page38 id: bf38fda11f (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に最高でした！ (2023年2月18日 19時) (レス) @page38 id: d6f8a4c568 (このIDを非表示/違反報告)
オタクnowだ！(プロフ) - マンちゃんｶﾜ(・∀・)ｲｲ!! (2022年12月23日 17時) (レス) id: e80884ff4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CLEAR | 作成日時：2022年11月28日 17時
